キャラ簡易説明 シロンさん:メタボ気味な青白い風竜。サーガ(パートナーの子)はシュウ。 ランシーン:スマートな黒い風竜。 グリードー:実はぷちメタボ予備軍の火竜。でも筋肉質でスマート。 ガリ姐・ズオウ:今回はお休みだろうから、説明は特に無。 ====== 「・・・いけませんねぇ。」 ランシーンは不満そうに呟く。グルグルと、回転する巨大な扇の風を浴びながら彼は考え事をしていた。 せっかく危険を冒(おか)してまで闇(ネクロム)のレジェンズを甦らせてけしかけたというのに、 「、、、シロン。」 ギリ、と牙を強く噛み締める。ただ闇雲に相手を送っていても、意味がない。 一番有効だった相手を再び思い返してみる。 それは果たして誰だったか・・・。エレメンタルレギオンに成る程、奴らが苦戦した出来事を。 「ククク、そうか・・・奴には“アレ”が有効かもしれませんねぇ。」 不敵な笑みを浮かべる黒いウィンドラゴン。 彼は隠された地下の保管室へと足を運ばせた。 場面は変わり、ここはニューヨークシティ。 「あー、ダリィ。」 外の風を浴びながら、ウィンドラゴンのシロンはだらしねぇと言われそうな格好で横になっていた。 足をくずし、腹をボリボリとかいたりしつつ、欠伸も時折見せる。 休日のおっさんスタイルだ。そのドラゴン特有のメタボ体型が拍車をかけている。 「こぉらデカッチョ!副部長のお前がそんな態度でどーする!!」 「あぁ?」 騒がしい声。鬱陶しく、何を考えているか理解しづらい相手がやって来た。 特に体を起こさず、顔を軽く向けるだけでシロンは相手・・・シュウゾウ・マツタニの方を向いた。 「いやー、なんつーかさー?ビビッとくるクラブのキャッチコピーが浮かばないんだよなぁ〜。 というわけで、何かいいフレーズ出してくれない?」 「ったく、またわけのわからん事を。」 今日は天気もいいし、相手をする気分じゃない。 「悪ぃ、俺今日具合悪いわ。風邪引いたのかなー、あー、げほげほ。」 明らかにやる気の無い芝居。いっぺんの熱意さえ感じられない。 「なにぃー!? ・・・・なら仕方ないか。そんじゃ今日は副部長は欠席と。 おーい、メグ〜ちょっと聞きたいんだけどさー・・・」 声が遠ざかっていく。 オーバーなリアクションをしつつ、普通に対応するのがシュウらしいというかなんというか。 「さって、もう一眠りするか。ふわぁーあ。」 さわさわとした風の音が心地よい。 シロンはゴロリと反対方向に寝返りを打つとそのままウトウトと眠りへついた。 (ここでBGM変更) そこへ忍び寄る怪しい影。 音も無くシロンへ近寄っていく。尻尾からつま先、そして膨らみのあるお腹、胸と首を通り過ぎ、顔の目前までやってきて・・・・ 「うぉっ!??」 自分でも驚くぐらいの声を出して、シロンは飛び上がった。 「はぁっ、はぁっ・・・あぁ?」 キョロキョロと周囲を見渡してみる。シュウがレジェンズクラブのメンバーと馬鹿騒ぎをして、ツッコミを受けている平和な場面が視界に入りホッとした。 「夢、か。」 深い深い水の底におぼれる夢を見た。大量の水を飲んで吐きたくても水中で吐けず、苦しみ続ける夢だった。 お腹はパンパンに膨れ上がって、水風船みたいだったな。 「・・・ま、夢は夢だわな。」 お腹をさすりつつ、シロンはよっこらしょと立ち上がる。 そろそろカムバックして体力を回復させておかないと。レジェンズはこの世界にリボーンし続けていると体力を著しく失ってしまう。 「おいシュウ。カンバックだ。」 「なんだよデカッチョー、今いいところなんだから。まったく空気の読めない」 「カンバック、だ。」 「・・・ハイ」 有無を言わさぬ、お願いではなく命令。 薄く睨みをきかせた目で2度も言われてはたまったものじゃない。 シュウはシロンをカムバックさせ、まるでハムスターみたいな姿の”ねずっちょ”へと戻した。 シロン「ガンガガ!ンガガ!(言われたらさっさとカムバックする癖をつけろって言ってるだろ。)」 「いやー相変わらず何いってるかわっかんねぇなー。ぐぶっ?!」 ビンタされ続けても、シュウがその事を深く反省することはない。 その夜・・ 「ガンガガー。(やけに腹が減ったな。)」 夜中に目が覚めたねずっちょことシロンは、秘密基地内にある冷蔵庫を開けてデザートのプリンをモグモグ。 1個じゃ足りなかったので3個入りの2パックを全部食べてしまった。 「ンガ?!」 やばい、1個ならシュウが犠牲になるだけで済むが、6個食べてしまっては他のメンバーがプリンにありつけない。 しょぼんと肩を落としてシロンは寝床に戻った。戻ろうとした。 が、体が重くてまともに飛べない。ぷっくりと大きくなったお腹を見て自分で納得。 しょうがないからと、その日はテーブルの足に体を預けるとクゥクゥと寝息を立てて愛らしい寝顔のまま眠った。 ========= それから数日が立った。 「なーんか腹が減りやすいな。」 近頃は平和で、ろくな戦闘が無かった。エネルギーの消費がほとんど無い。 にもかかわらず、食欲は以前よりも増していた。 ま、平和だからこそ、それだけ気を抜いてるって事でもある。 そうなってくると余ったエネルギーは体に蓄積されるわけで、太るわけで、お腹周りが更にぽっこりんになるわけで。確実に、シロンの体重とウェストは増えていた。 しかし元々お腹の出ていたウィンドラゴンであったせいで、その変化に気づく者は自分自身も含めていなかった・・・。 ===== 続く・・・?