原案(?):双葉様 「黄色と橙色の大福餅」 あるところに、大食らいのピカチュウと、ライチュウにしては珍しく、少しばかりスマートな2匹がおりました。 ライチュウは、自分よりも太った体型のピカチュウを見下して、馬鹿にする事が多くありました。 ライ「おいピカチュウ。俺がご主人から貰ったおやつ、残り全部お前にやるよ。」 ピカ「ピカ!ほ、本当にいいの?嬉しいピカ〜♪」 ピカチュウは貰ったおやつを、山ほど食べ始めました。しかし、少し考えればその量が多すぎる事に気付くのですが・・・食い意地の張った彼は気がつきません。本当は、主人がくれたおやつとは別に、元々の数倍の量ライチュウは用意したのです。 そして、翌日−−− 「けぷっ、ちょっと食べすぎちゃったピカ;」 のっそりとした動きのピカチュウは、縦よりも横幅の方が大きくなっていました。お腹は大きく成長して、地面スレスレ・・・いえ、よく見たらギリギリアウトのようでした。 その様子を見て、ライチュウは嘲るようにして笑います。 「ライラ、ライラ!!ライチュウより太ったピカチュウなんて見たこともライ(無い)ッチュウ!ww」 「ピ、ピカァ?」 ぼてっとした体でピカチュウは不思議そうに首を傾げます。 「まぁ、気にするな。腹が減っただろうし、追加でおやつわけてやるよ。 (へへ、あんな体じゃあまともなバトルは出来ないだろうな。ぶっくぶくに太って…明日のピカチュウとの勝負、俺が余裕でもライ(貰う)っちゅー♪)」 ピカチュウは貰ったおやつをバクバク食べては、数時間でその小さな体をより大きく肥えさせました。 体重は、60kg。本来なら、5kg前後が平均体重ですので明らかな肥満ピカチュウでした。 しかし、ライチュウは確実な勝利を望みました。まともに動けないぐらいに太らせてしまえば、確実に自分は勝てる。 それだけじゃない、自分(ライチュウ)が太っているというイメージを完全に払拭できる・・・! ニヤリと不適な笑みを浮かべて、ライチュウは”ある代物”を用意しました。 それは・・・ 「危険・超協力栄養剤!〜食欲不振に陥った愛するカビゴンにV2〜」(ドン!) その名の通り、凄まじいまでに栄養が詰まりすぎて、ちょっと使い方を誤ると対象のポケモンをぶっくぶくに太らせてしまうドリンク。460kgに匹敵するもので、以前、食欲不振のニドキングに3本ほど飲ませたトレーナーがいたのだが、酷い事になった。それはもう、ドッパァーンとニドキングは膨れ上がり腹は満月を超えて木星のような威圧感を放つまでになり、1ヶ月間歩けないぐらいに太ってしまった事例もある。 それをライチュウはピカチュウに飲ませてやろうとしました。 ピカチュウがいつも飲んでいる容器に、ソレをドボドボ…。 1口だけ試しに自分で飲んでみると、腹がむくりと、僅かに膨張するレベル。 「げぇっぷ・・・これは期待できるチュウ!w さて、お腹いっぱいになったし寝ようっと。」 そして、暫くして・・・ ぼっほりと太ったピカチュウがいつものジュースを飲もうとやってきました。 ぜぇはぁと呼吸が荒いのは、太りすぎた体がきついからです。 そして容器を手に取り一気飲み・・・・! その直前でストップがかかりました。ご主人の手です。 「ダメダメ。さっきあんなに食べて、甘いジュース飲むなんて。ダイエット中だろ?」 「ピ、ピカァア〜〜」 ジタバタと手足を涙目で訴えるピカチュウですが、ろくに動けない様子で、なおさらご主人の危機感を募らせました。 「そんな顔してもダーメ!」 そして、水を渡されたピカチュウは渋々それを飲みました。 「このジュース捨てるのも勿体無いな・・・ライチュウの奴、ちょっとやせ気味だしあいつのコップにいれとくか。(ドボドボ)」 そして運命の時・・・ ライ「へへー、ピカチュウの奴、全部飲み干したみたいだな。カビゴンみたいに寝たきりポケモンになったら、あいつの腹の上で訓練してからかってやろうかな。らいららいら!w さて俺も喉が乾いた・・・っと、ングングッ。ぷはぁ〜、なんだこれ、めちゃくちゃ旨いぜ。グビッグビッ!」 ピカ「チュゥー・・・(羨望の眼差し)」 ライ「ん?なんだピカチュウお前いたのか。へへ、以前にも増して太ってきたんじゃないかお前?んん?」 ニヤニヤしながら、大福餅みたいに太ったピカチュウを笑うライチュウ。その彼に、変化が訪れ始めました。 「それにしても、お前はさぁ(ムク)いっつも食ってばかりで、日に日に太って恥ずかしくないのかよ?(ムクゥ)」 なんだかライチュウの様子が変です。まるで進化前のように、体が徐々に大きくなっていきます。しかし、ライチュウは今現在、進化するはずはありません。 ピカチュウはその様子を目を丸くして、体を丸くして(元から)見ています。 「チュ、チュウ〜?」 「ん、なんだよその目は。(ムクゥッ) げぷぅっ、んっ、うん?なんだかやけに腹がきついな・・・・別に炭酸飲料ってわけじゃ、げっぷ!無いのに。(ぶくぅ!) ・・・ん?」 ライチュウも、とうとう自分の体の変化に気付きました。目を見張る速度で、自分の体が目の前にいるピカチュウ と同じになっていくのです。 と思ったのも束の間、ライチュウは明らかにピカチュウよりも肥えていました。 「ハッ、ハァっ!ラ、ライヂュ・・・なん、、だこれ?げぷっ、ぐぇっぷ!?(ムクムク)」 瞬く間にライチュウの白いお腹は風船ガムを膨らませるが如くぷくぅ〜〜〜〜〜〜と大きくなっていきました。 足がガクガクと震え、自身の体を支えきれなくなります。 更に巨大化する白いお腹に押されて、とうとう仰向けに倒れてしまいました。 「げぷぅーーーー!ンッンッ、ハァッ、ハァハァ、苦ジイ…ライ、ラァーイ!」 倒れたまま、高熱に苦しむ患者みたいに顔を前後に振って気を紛らわせます。しかしライチュウの膨張は止まりません。みるみる特徴的なコッペパンも肉付きが良くなっては膨らんで、お腹はもう完全にカビゴンと一致。 誰がどこから、どのアングルで、どんな特殊加工を施した写真を見ても、「デブライチュウ」だ。と判別可能な段階まで彼は肥え太ってしまったのです。 −−−翌日−−− ライチュウは“ころがる”事すら出来ない自重の重さと巨大な腹の持ち主となり、ピカチュウは特に何もせず不戦勝となるのであった。 ==おわり==