〜フォアーク(空島)に観光に行くシリオル様の巻〜 少々、いやかなり太った竜の女性がいた。 皇后シリオルが、にく界ライフのハーヴァスト(実りの大地)へ観光へ行った時の事である。 「あら、ここって果物や農作物ばかり・・・お肉はあんまり無いのね。」 ちょうどダイエットしようと思っていたところだ。シリオルは、ここの宿に暫く寝泊りすることにした。 果物をふんだんに使った料理の数々、甘くてさっぱりするような品が多かった。 こってりしていない分、きっとカロリーも少ないわよね♪  甘い甘い果実の蜜をたっぷりと体に蓄えていきながら、シリオルは少しずつ、ゆっくりと体重とウエストを増やしていくのだった。 「そういえば、フルーツダイエットってあったかしら?」  古い記憶にある、フルーツダイエット。確か、”一日のほとんどの食事をフルーツにしてすごすと、ダイエットができる”と何かの本で読んだことがあった。  でも、シリオルは勘違いした。1日3食の料理を、果物に置き換えるのが正しいダイエット。しかし、彼女は何を思ったか”一日中フルーツを食べまくる”という選択をしてしまう。違うとわかりつつも、ここの地方の果物が美味しすぎてつい自分を甘やかしてしまったのだ。 そんな生活を続けた成果、あれよあれよと彼女は太っていき、とうとう体重は10tになってしまうのだった。 〜つづく〜 ここでは、各島が浮かび、昔は空を飛んで移動するのが主だったが、今では肥満して別大陸に行けなくなったものたちのために、ありとあらゆる移動手段が用意されている。 しかも、各島にはそれぞれ名産品(その”ど・れ・も・が”、お菓子や食べ物)があり、彼女は肥満者用の移動用乗り物で一歩も歩くことなくフォアークを満喫した。  気がつけば、体重が1t以上も増えていた・・・。 終 〜連鎖で肥える話〜 @シリオルが超スマートになった夢を見る。(ジヴォイドにとって凄まじい悪夢)  Aそれがストレスになり、少しあわて気味に彼女と積極的に食事を取り肥育準備。そのせいで、ジヴォイドが20kgほど太ってしまう。 Bところが、話はそれだけでは終わらず。ジヴォイドが少し太ったことに気をよくしたのか、安心したのか、シリオルが積極的に食事をし、ダイエットとは無縁の生活をするようになる。そのおかげで、体重が400kgも太ってしまう。  C試しに、ジヴォイドがダイエットした後に、また少し体重を増やしてみた。 「う、困った。50kgも太ってしまったか・・・。(チラ」   案の定、彼女は嬉しそうにする。 笑顔で「少しくらい太っても大丈夫よ♪」と、言いながら太ったのが自分だけじゃない事に安堵して、益々シリオルは肥えた。 ざっと1000kgほど。 そして、妻をぶくぶくと肥えさせることには成功した。 ジヴォイドとシリオルには大きな違いがあった。ジヴォイドは100kgほど太って見せるが、その前にしっかり数十キロ減らしている。 だが、シリオルは、ただ「増量」するだけだ。全身の脂肪は更に溜まっていき、わき腹は更に段が重なり、背肉も重厚だ。 この素晴らしい展開に、それこそジヴォイドは身を犠牲にして体重を増加した。 200kg、300kg・・・と、ぽっちゃり体型からふっくらと愛らしい体型になってしまう。 だが、それも全て愛する者のため・・・。 太ったことに悩む自分(もちろん演技 )を慰めてくれるのか、妻は自分から少し太ることもあった。 「大丈夫よ、あなた」 そう言ってくれるのがとても嬉しい。 とはいえ、わざとなのだが。 そしてジヴォイドが調整しつつ、そこそこに丸く太ったころには シリオルは完全に肉塊竜と化していた。  しかし得意の魔法を駆使しているせいで、生活に全く支障がない。これは困り者だった。 ここまで太ったら、数百キロ太る程度では彼女も全く気にならなくなっていた。 諸刃の剣の作戦ではあったが、彼女の優しさや食欲がうまくかみ合ったおかげで妻は見事なまでに太り、腹は階段状に重なって左右前後広がっていた。 脚にもたっぷりと脂肪がつまり、すり足で移動すると垂れた肉が揺れ動かされていった。 彼女が寝ている隙に体重を頑張って調べたところ、ざっと以前までの3倍+α。とうとう28.7tになっていた。  ジヴォイドは、部屋で妻の”成長”アルバムを見ては笑顔になった。 ちょっと鼻血が出そうな程に。というのは冗談だが、至福だった。 そのおかげで、ちょっぴりだがジヴォイド自身も、ある意味幸せ太りをして丸みを帯びて、服が着れなくなったりしたが・・・ ダイエットして元の姿になると、彼女もダイエットしようとするのではないだろうか。と、考える。むしろ、これからも更に太らせたい。  ジヴォイドは色々と作戦を練った。  今までと同じように自分(夫)の肥満を進行させて注目してもらい、彼女自身の肥満化への意識を薄れさせ、食欲は自然と増加してもらう。 だが、自分があまり太りすぎては今後色々な活動に支障が出るので程ほどにするとして。 しかし良い案がなかなかうかばない。  ジヴォイドは、試しに3日ずつ自身でテストをしてみた。1つめ、食事量を大幅に増やす。これは食べすぎが途中で苦しくなって失敗。 2つめ、消費カロリーの大幅カット。 これは、確かに痩せないが、太る幅も狭く効果が薄い。 3つめ、食欲を増やし、食事のカロリー自体も増やす。 やはり、これが一番効果が高かった。海外から取り寄せた嗜好品調味料が、やたらと強力であった。  それらのテストを10日間合計した結果、ジヴォイドはまた2、300kg程度太ってしまい、もう1サイズ服を伸張する羽目になった。 娘が不安そうに見ているが、仕方ないだろう。 もし夫婦そろって身動きできないなんて事になったら流石に笑えない。  だが、ジヴォイドの凄い所は、妻への愛情による努力で肥えているだけで、その気になればすぐにでもダイエットを成功させることが出来る点だ。 それだけ意思が強いとも言える。 そして、ジヴォイドは例の海外から取り入れた強力な香辛料や調味料を用いて彼女に料理を食べさせた。 ちなみに、余談だがそれらは痩せ過ぎて太りたい者が使用する代物である。 元から太っているものが使うなど正気の沙汰ではない。 効果は抜群だったのか、シリオルはぐんぐんと太っていき、以前よりも肉の段差が増えて、そればかりかつきすぎた脂肪で足が地面に届かない状態にまでなってしまった。 首は元からほとんど見えないが、今では更に埋まって顔を動かすだけでぶにょりと脂肪が移動する。 頬っぺたもたんまりと肉がついているが、顔は昔の美しさを依然として保っていた。 ジヴォイドの肥育作戦で、シリオルはぐんぐん体重を増やした。 嬉しい誤算があり、体重が大幅に増加した彼女は食欲も異常なまでに増えてくれた。 そこまで食べてくれるのか? とジヴォイドが思うほどに。 結局、シリオルが余りにも太りすぎと自覚したのは、完全に身動きが取れなくなってからであった。 ジヴォイドも、なんだかんだで体重2トン程度のメタボ竜と化していたが、その後あっけなくダイエット成功したという。 シリオルのダイエットの成否は、まだ不明だが、少なくとも以前まで戻ることは不可能に近いぐらいに太っている、とだけは伝えておこう。  ジヴォイドのアルバムの、妻の体重グラフは未だに右上がりを維持している・・・      〜おしまい〜 大人たちの大失敗 〜BAD END 巨大球体〜 長期休暇中、ベクタに行っていたワグナスだが大変なことになっていた。 まさか、ここまで太ってしまうだなんて・・・。 でかでかとしたお腹を摩るワグナス。昔から大きかった彼の体は、引き締まっていた頃の丸さとは違う”丸み”を帯びていた。  自分の家の入り口に入れないな・・・。ワグナスは先日計ったウエストの数値を思い出して気分が落ち込んだ。  帰省時に激太りした妻に文句は言えないじゃないか。  腕足せ伏せがでかっ腹のせいで不可能になっていたのは随分前からだが、今じゃ起き伏しにすら苦労する・・・というか、仰向けに寝ていたらゴロンと横に転がってからじゃないと起き上がれないのだ。 だが、ここはダイエットとは無縁の国ベクタ大陸。 一応ダイエット食は存在するが、それでも向こうの料理のカロリーを余裕でオーバーしてしまう。  どうせカロリーが高いなら、と普通のベクタ料理を食べてしまうわけだが・・・パスタ1品を頼むだけで山盛りの大ボリューム。 それなのにスイスイお代わり出来ちゃうのが恐ろしい所だった。  (アズライトに帰る頃には、もう少し体を絞っておかないとな ) しかし、まだベクタですませる用事が終わっていない。 今は”フィードロット”にいる知り合いと、ちょっとした約束があって、その手続きが必要だった。 ワグナスはぶっとくなってしまった腕を交互に頑張って振りながら、巨大に膨れ上がった揺れるパツパツの腹に押されながら、股を広げてのっしのっし、というかズシンズシンと音を立てるレベルで目的地へと向かっていった。 わかっていたが、フィードロットは凄まじい所であった。 肉の海とも思える光景が珍しくなく、ピラミッドのように肉が段々になった肉塊竜があちこちで見かける。 1匹の竜が建築物のサイズかそれ以上に巨大化しているのだ。 自分も相当太ったと思うが、彼らのレベルに比べれば赤子以下、むしろ痩せすぎを心配されてしまう段階だろう。 いかんいかん、感覚が麻痺してしまう;   ワグナスは、設置された販売機でジュースや軽食を食(は)みつつ、知り合いのいる現住所へと向かった。 ”肥満”という言葉では絶対に言い表せないドラゴンが出迎えてくれた。くだんの知り合いである。 「お前、でかくなったなぁ・・・」  他に感想が出てこなかった。太ったなぁ、なんて生易しい台詞は出てこない。 少なく見積もっても、体重は数百トン以上だろう。どうすればここまで巨大に太るやら・・・・。 オートの機械が次々と大量の飲食物を彼の口に運んであげていた。 おそらく年中無休だろう。 話を聞くと、以前よりも運搬機械の数は増え続けているそうだ。 体は寝ているのか起きているのか・・・肉量が凄まじく判別が出来ない。  初めは変わりぶりに驚きを隠せないワグナスだったが、すぐに慣れてしまった。  昔話に華が咲き、彼らはくっちゃべりながら思い出や近況を語り合った・・・。 翌日。 「ふー食った食った。」  一晩中食べてしまったせいか、お腹がパツパツに膨れて見事な球体を形成していた。  手続きの完了まではまだ暫くかかるから、と とりあえずこの友人宅にお世話になることになった。  知り合いが"設定"してくれたおかげで、ワグナスの元にも食事運搬機械が運ばれてくる。  なんだか変な気持ちだったが、料理が美味しいのですぐにこれも慣れていった。  「案内してやりたいところだが、ふぅふぅ、俺は見てのとおり一歩も動けないんだよなぁ、すまない」  超絶肥満体の黒竜は苦笑いした。そりゃあ、その見た目では歩くことはおろか姿勢を変えるだけで全体力を使い果たしてしまうだろう。 少し頑張っていたが肉がぶよぶよと動くだけで微動だにしていなかった。 ・その頃、別行動だが一緒にベクタ大陸に来ていたダンターグはちょっとため息をついていた。 「ふぅ、、、、また食べ過ぎちゃったみたい;」  体が快適な環境に馴染んだのか、すっかりリバウンドしたダンターグ。こっそり量った体重は12tを軽くオーバーしていた。 困ったわ、と思いながらここまで太ったらあと少し体重が増えても一緒よね♪ とレストランでデザートを勤しむのだった。  しかし丸々として引き締まったシルエットは大差ないが確実に超メタボ竜になったワグナスも酷い体重になっていた。 単純な、乗るタイプの体重計がフィードロットでなかなか見当たらなかったので自分の体重がどれぐらいになっていたか彼は知らない。  実は、超肉塊竜の友の家で食べる食事ペースは明らかにおかしくて、ワグナスも10トンを肥えてしまっていた。昔の5倍である。 「ふぅ、ふぅふぅ、うっぷ。ご馳走様。」  「お、おいおい、もう終わりなのか? 夕食が始まって”まだ2時間だぞ”。」 とはいえ、朝食、第二朝食、昼食、間食、 第二昼食を、量は少ないとはいえ付き合ったワグナスは限界に近い。  しかし、知り合いがワグナスの適正体重を設定して料理を運ばせるせいで、どんどん追加料理がやってくる。 知り合いのベクタ黒竜も、久々の来客 (通信以外、会話することは稀。移動不可能な肥満レベルのため) が嬉しいのか、やけに食欲が増えてしまった。 普段以上に料理を運ばせてしまい、食べ終わるといつも苦しそうだった。 「ふー、今日も食べ過ぎちまったなぁw;」   おそらく、ワグナスの体重の数倍の食料を体に入れているのだろう。 あれほどの巨体で、何段にも脂肪が積み重なった肉体の腹部がどっぽりと膨れていた。  そんな彼の調子に合わせてしまうワグナスも、リンゴ型肥満者もびっくりのビア樽腹を膨らませていた。  そして、気がついた。 「(お、起き上がれない?!)」 巨大なソファーに寝たまま会話して時間をすごしていたのだが、久々に外の空気を吸おうと思ったら・・・。  ま、まずい、これは流石に真剣にダイエットを開始しなければ! 「ふぅ、ふぅ、すまないが、私の分の食料は今の半分以下にしてもらえないか? ・・・いや、3/4ぐらいで」   ちょっとだけ甘えが出た。 しかし、知り合いの口から出たのは恐るべき言葉だった。  「うぷ。ん、食欲が減っちまったか? でも悪いな、もうお前が滞在する期間分の料理、自動発注しちまったんだよ; 」  「?!」   キャンセルは可能らしいが、料金が余分に取られるそうだ。  ワグナスは悩んだ。悩んだ挙句、、、、 どっちみち学校に戻るまでにダイエットは間に合わない=食べよう、とあきらめた。  どうやらベクタの大地に毒されてしまったらしい。 5日後。妻から連絡があった・・・が、私はまだ用事があるから、と妻だけ先に帰ってもらうことにした。 なんだか向こうはほっとしているようだが、私は焦っていた。  あれから、私はたった5日でも飛躍的に太ってしまったからだ。 全身がかなり柔らかくなっている。  四肢や、尻尾は元の2,3倍の太さだろうか。 そして肥満の象徴であるこの”腹”。これがとんでもないサイズである。 運動会の大玉転がしを更にでかくした感じ・・・風船腹とか、満月とか、なんと呼んでもいいが、とにかくやばかった。食欲は果てしなく増えていき、(どうやら、食欲がない自分のためにアスターゼ草のソテーを数回頼んでそれを私は食べていたらしい・・・うう。) 残さず食べるようになってしまった。   「う、ぅぅん。(もぐ、もぐ) ま、まだ運ばれてくるのか?」 汗が流れる。皮下脂肪と内臓脂肪がたっぷりついた体は息苦しく暑苦しい。   ‡ そして、トドメと言わんばかりの大問題が起こってしまった。  「う、ううっぷ。今日は、やたら運ばれる料理が多くないか・・・?」  朝から通算して、すでに6、70品は腹にぶち込まれている。  「うーん、俺のほうはかなり少ないんだよな。腹が減って死にそうだ・・・(ぐきゅるるる〜)」   万が一にもあり得ない自体だが、偶然に偶然が重なって不幸がおきてしまった。  本来、知り合いのベクタ竜(超肉塊竜。歩行、身動き不可、体脂肪率98%と言えるほどのぶくぶく)に運ばれる料理の一部が、 間違ってワグナスに与えられてしまったのだ。  「うぁ、っ、はぁはぁ、(もぐもぐもぐ、むしゃむしゃ)うぷっ、は、吐きそう、だ・・・!」  だが、美味しい、と思う気持ちもある。苦しいが、もう少し食べても大丈夫。  それからしばらくして・・・ もう食べられない・・・! ワグナスは苦しみ、息を乱しながらも、大量の食料に抵抗できなかった。  起き上がれないほど太ったのだから、移動することが出来ない。的も同然だった。  次から次へと美味しいが苦しい山盛りの料理が注ぎ込まれる。  ワグナスに流れていった量はわずかとはいえ、普段食べさせられる量の数倍を食べてしまったのだ。 ローマは一日にしてならぬが、肥満竜は一日でも完成する。  ワグナスは、限界を超えてしまったことにより、引き返すのが困難なまでの超肥満竜の仲間入りを果たしてしまうのだった。   そして、2週間後・・・   学校には当然入れない。 というか自宅にも入れなかったワグナスは、ダイエットしながら体育館で特別授業をしている。 すっかり運動が不可能になった"体重20トンの体育教師”は、僅かにだが体重を増やし続けているとか・・・。   おしまい シリオルさんの失敗:プチSS     〜今日も某世界で食べ放題の生活を満喫する彼女。〜 翼の都、フォアークで、現地の住民が行かない島へと彼女は向かった・・・。 そこに成っている木の実はあまりにも美味しく、大勢の者を虜にする。奥に行けば行くほどおいしく、代わりにカロリーも高く栄養満点、激太りしてしまう。 だから、その巨大な浮遊島は奥に行くほど肥満したケモノや竜がいるのだ。 しかし、貴重で美味なレアな木の実は、足場が不安定な、肥満者が行けない道を通って行かないと食べられない。  飛べるものがそこに行っても、肥え太ってしまい帰れなくなることは珍しくない。 痩せていれば奥に行けるが、太りすぎると戻ってこれなくなる・・・・だから、現地の住民はあまり行かないのだ。 そんな場所に彼女、シリオルは向かった。噂以上に美味しい果実や木の実を沢山食べ満足するが、やはり入り口付近より奥に行くほど美味しさが増していく。  しかし、断崖絶壁のような道や、足場が不安定な道が多く奥に行くのは太った体では難しい。 そう、行くのは難しい・・・が、それだけ。彼女には空間を越える魔法がある。場所さえ確認できれば、問題ない。 本来誰も取りに行けないような希少な果実を、彼女はいとも簡単に手に入れることが出来た。そして一口食べて・・・すぐさま虜になった。  よその国の王族が大金をはたいても食べたいと思う、天上の雫とも思えるような果物や、頬っぺたがとろけそうな程の甘い蜜の入った実を好きなだけ食べることが出来た。 しかし、誰にも手をつけられずにいた”それら”のレアフルーツ等は、肥沃すぎる大地の栄養を完全に凝縮しており、 たった一粒のラズベリー程度の代物であっても一日の栄養を賄えるほどであった。 それを彼女の体が満足するまで食べればどうなっていくか・・・想像するのは容易い。 空間魔法を駆使して、ほとんど動かずにバクバクとレアフルーツを平らげていくシリオル。 顔全体に肉がつきはじめ、腕は更にたるみ、関節は垂れた肉で判別が難しくなっていき、足は少しずつ埋もれ、非常に肉質な体になっていった。 そして、彼女は一度戻ってからもあの味が忘れられなくなった。たまに出かけては、新しくなった木の実や果物をすべてもぎ取って自分の体におさめた。 そんな事をしているうちに、彼女の体重は100kg、200kg、1000kgと簡単に増え始めていく。  次第に遠出するのも面倒になってきた彼女は、記憶を頼りに位置を把握した木の実を出かけることなくもぎ取って食べるようになっていった。  運動量が激減。しかし食事は増える一方。それらはデザート感覚で、メインディッシュは山ほど食べているのだ。  体重はますます増えていき、ひきずる肉の範囲も多くなっていた。  というか立っていても座っていても大差ない肥満度になってしまった。 結局、シリオルは何度も空間魔法を駆使したおかげで更に技が上達して、島にある自由に食べて良い果物は出かけずして好きなだけ食べれるようになった。  ある時は、小さな小島の果物全部を食べきり、ある時はフルコース料理を食べながら、どんどん別の場所から間食を持ってくるようになった。   そして、とうとう・・・・  どずぅーーーん!!   軽く座ったつもりが、凄まじい地響きが周囲に響いて小鳥たちが飛んでいく。  「あ、あら・・?」  自分ではちょっと太ったかな?と思った程度だったが・・そんなことは無い。 毎日の変化は少しずつだった彼女だが、結局体重は5倍にも増えて完全に肥え膨れ上がってしまっていたのだった。 ジヴォイドが笑顔で出迎えてあげたのはいうまでも無い   〜おわり〜