[肥満化ったー結果より] ワグナスがワイン飲み過ぎて太ってしまう 竜学の体育教師、ワグナス=アバロンはベクタ黒竜だ。 逞しい体を持ちながら、持ち前の食欲のせいで丸々としたボディをしている。 今回はそんな彼の、ちょっとした失敗を見てみよう。 「ーーーま、また太ったか?」 自分のお腹をつまんでみる。昔からもにゅっと柔らかいのは一緒だが、なんというか全体的に大きくなった気がする。 思い過ごしだろう・・・と頭を振って彼はいつもの授業に取り組んだ。 なんだか、昔よりも疲れやすくなったなぁ・・・とか思いながら一日を終え帰宅した。 「ただいま。」 疲労から、ふぅ、と溜め息が出る。と同時にぐぅ〜〜と腹の虫が盛大になった。 この食欲をどうにかしなければ、肥満化を止めることは難しいだろう。 休日は頻繁にchubby(ベクタ料理専門店)に行くせいで体重の増加が目覚しい。 ぅう、どんどん肉が自分の体についていくのが実感できて困る。 なのに、気がつけば私は・・・・あろう事か晩御飯をお代わりしていた。 しかも3回も。 まるで、呼吸をするぐらい自然に茶碗を差し出していたのだ。無意識下でお代わりをするぐらい、私の食欲は強いらしい。 妻が6回もお代わりしているせいで、感覚が麻痺しているがドンブリに並々とご飯を盛り、それを軽々と数杯平らげるのはどう考えても食べすぎであった。 しかも肉類や油で揚げたてんぷらとか、唐揚げが皿に乗り切らない量だったのに・・・ふたりで全部食べてしまった。 おそるおそる体重計に乗ってみる。ギシィと鈍い音。表示されるデジタルの数字は4桁・・・・初めの数字は3。次に5。 「う”」 そう、以前まで2000kgだった体重は嘘のように増えていき、今では3500kg。数日前より更に太っていた。 原因はおそらく、”アレ”だろう。棚に揃っているワイン。倉庫に眠っているいくつもの大樽。 妻がワイン生産の知り合いに貰ったものだそうだが、その量”たる”や驚愕のものであった。 なにせ初めは家に入りきらないぐらいで、倉庫がパンパンになるほど詰め込んでも外に出る数だった。 そして、ワインを飲むためには“つまみ”は必須。それも、チーズやクラッツ、アーモンドetc、いずれも脂肪分やカロリーの高いものばっかり。 毎日ワインを浴びるように飲み、おつまみをそれこそ鱈腹(たらふく)食っているワグナスが太るのも当然であった。 しかも、ほろ酔いがいい感じに食欲を増進させてくれる。おかげで、ワグナスの体は筋肉だけじゃなく脂肪の占める割合も凄い事になってきた。 それから暫く日数が経過してーーー ワインは結構消費した。おかげで、家や倉庫に荷物を置けるようになる。なった。はず、なのに・・・・ なぜか部屋が狭く感じる。いや、もしかしてーーーワグナスの不安は的中した。 鏡を見る。すると、そこには以前にも増して丸々と肥え太り、むしろ球体から楕円形のぼた餅みたいに太った状態。 すーーーーんごいお腹してた。道理で最近歩きにくいと思ったら・・・。 がっしりとした体躯は引き締まっており、お腹も依然同様にむっちりパツパツには違いない。 が、いかんせんお腹が垂れ下がっても居ないのに床に接しているというか常にひきずってた。 あわてて体重計に向かう。ドスドスンと音を立てて、まるで家が揺れそうな勢いである。 ミシ、ギシィイイイ!!! 依然とは比較にならないほど大きな音を立てて体重計が軋んだ。 超重量に耐えられる設計のはずなのに。 ワグナスは恐る恐る、数字を見た。怖いので、下の桁から いち、じゅう、ひゃく、せん、、、、あれ。お、おかしいぞ? なんで、「まん」の位があるんだろう。 「じゅっと、ん・・・?!」 驚愕の数字であった。10t。10000kg。 ワグナスは呆然とするしかなかった・・・ その後 ショックを受けたワグナスの元へ、大量のお菓子が押し寄せてきた。 妻が、また別の場所から貰ってきたらしい。彼女の食料関連の太いパイプはどうなっているんだ? ワグナスは、ワインを我慢し始めた。しかし、どうしても飲めないストレスが少したまってしまう。 それを軽減するためにお菓子に手を出し始めたのだが、どうにも美味し過ぎる。 やめられない、とまらない。 むくむく、ぶくぶくと肥え太っていった。そしてとうとうーーー ドガァアーーン!! 部屋の壁を吹き飛ばす超巨大なワグナスの体。風船のようにふくらみぱっつぱつだが、膨らんだわけじゃなく、全部中はお肉である。 残念ながら、空気を抜いて元に戻すことは出来ないだろう。 どうしてこうなってしまったのか・・・・しかしワグナスは右手に持ったドーナツを手放すことはなかった。 EAT END 15 たべすぎ ※垂れずにして腹が床下まで到達するって凄いですよね