メタモンの逆襲 ある日、一部伝説・幻のポケモン達の下に招待状が届いた。 しかし差出人は不明。 巨大なドーム状の建物で、伝説に語り継がれるような存在のポケモン達はそこで待たされていた。 その中の一匹。ルギアは静かに会場内を見回す。 グラードンやギラティナといった大型の者達が大勢いるのに、それでも十分すぎるほど広い空間。 ルギア「(いったいここで何が始まるというのか。)」 暫くすると、一人の女性が扉の奥から現れた。 彼女が私たちを招いた主催者なのだろうか? ルギア「(どこかで見たことのある風貌・・・そうだ、あれは確か人間のポケモン女医)」 ポケモンセンターに勤務する女性が一体なんの用件だろうか。 もしメタボ検診が始まるというのなら、私は即座に帰らせてもらうとしよう。 長いこと出番が無かったせいで最近はお腹周りが少々・・・ そんな事を思考するルギア。 だが、そんな様子ではなかった。 女医「皆さん、今日はようこそおいでくださいました。 私は案内人のジョーイ。」 ペコリと一礼をする彼女は、言葉の強弱が無くどこか無機質な感じがする。 ホウオウ「貴方が私達を呼んだのではないのか?」 女医「はい、呼んだのは私ではなく[彼ら]です。」 そして、彼女の後ろにある大きな扉が、ギギギと鈍い音を立てながら開いていく。 ???「ようこそ。よく来てくれたもんモンー」 グラードン「・・・グラ??」 何者かの声が聞こえるが、主の姿が見えない。 全員がキョロキョロと見回した後、足元を見ると小さい紫色のスライムがうにょうにょと動いていた。 「「メタモン?」」 一同は間の抜けた声を出して、予想もしない登場者に呆気にとられた。 しかも、メタモンは一匹だけでなくうようよと・・・少なく見積もっても20以上。 これほど大量のメタモンを一度に見るのは初めてだが、なんだか異様な光景に映った。 レックウザ「メタモンが我々に何のようだ。」 プライドの高いレックウザは、メタモンに呼ばれたと言うことだけで少々不機嫌になっている。 たいした用事じゃなければ、確実に切れて暴れる可能性があった。 メタモン「【自分】というものは酷く不安定なものだと思わないかモン? 他者に見られて、存在を認識されて、初めて固体として、生命として成立するモン。」 カイオーガ「??」 メタモン「本物も、誰にも知られなければそこに居られない。逆に偽者も、周りに認められれば本物になれるモン。」 皆、メタモンが何を言いたいのか理解できない。ただ一匹、ミュウツーだけは何かに気がつき始めた。 メタモン「・・・・・・メタモン達が、もし君達になれたとしたらどうするモン?」 ニヤ、と黒い笑みを浮かべるメタモン達。「へんしん」の能力で次々とその姿を変えていく。 ある者はホウオウに、またある者はギラティナに姿を変えた。 しかし、顔だけはメタモンのままなのでかなり違和感がある。 パルキア「お、俺はそんな間抜け面はしてねぇぞ!」 会場に居た伝説や幻のポケモンたちの姿を手にいれたメタモン達。 だが、そんな事をして一体何になるというのか。 ミュウツー「本物とコピーはそれぞれ独立した生き物だったように。姿だけ真似たところで、お前達がメタモンである事に変わりは無い。」 メタモン「確かに、そうだモン。けど…本物が居なければどうなると思うモン?」 バタン、と次々会場内の扉が閉じられていく。 ルギア「(まさか、こいつら私達を消そうというのか?)」 メタモン「お前達には、ずっとここに居てもらうモンー。」 間抜け面のグラードンの姿をしたメタモンが言う。 それに対し、本物のグラードンはその言葉を一蹴して振り向き帰ろうとする。 グラードン「ふん、馬鹿馬鹿しい。扉を閉めた程度で、われ等を閉じ込めておけると・・・・ ぬっ?!」 女医「帰すとお思いですか?」 ぐにょり、と女医の姿が溶けるように変わっていく。彼女は変身したメタモンだったのだ。 ガクンと、グラードンの動きが止まる。 同時に、足に違和感を感じた。 視線を向けるとそこには変身していないメタモンがべっとりと纏わりつき、強力なとりもちのように動きを封じていた。 ルギア「(これは・・・っ)」 メタモン「大人しく、ここで暮らしてもらうモンー」 そして、メタモン達はそれぞれ全身を包み込むようにして私達の体を覆い始めた。 あっという間に首までメタモンがその体を伸ばす。 必死に抵抗するが、全身の自由を奪われていては技もまともに出せない。 それだけでなく会場内に超微量の特殊なガスが撒かれ、力が入らなかった。 メタモン「それじゃあ失礼しますモン〜〜」 ルギア「んぐっ??!」 内部から体の自由を奪う為なのか、メタモンはついには自身の体を私達に飲み込ませ始めた。 ズブズブと、猛烈な勢いでジェルの感覚が喉元を通り過ぎていく。 それがどんどんとお腹に溜まっていき、重みを増していく。 ルギア「ん、んん、ぐ、ふっ!?」 ゴクンゴクン、グキュと爽快な音を漏らしながらポンプが脈打つように喉が膨れる。 短時間であっという間にお腹の中はメタモンで一杯に満たされ、奇妙な感じになった。 だがそれでもメタモンは、尚柔らかな体を押し込んでくる。 容量の限界を超えたお腹は、徐々に徐々にその大きさを増していく。 と同時に苦しさも現れ、より激しく抵抗した。 ルギア「(ヤ、ヤメロ…これ以上は、もう・・・ぐぅっ!)」 メタモン「モン?喋れないのに声が・・・と思ったらそうかテレパシーが使えるんだったモンねぇ。 安心するモン、この段階はまだまだ序の口。僕は比較的ゆっくりやってるモンモン〜 あっちを見るモン」 首の角度を変えられ、レックウザの方を見ると先ほどまでバタンバタンと激しく暴れていたせいか 凄まじい勢いで胴体を膨らませられ身動きを封じられている。 かなりの苦しさらしく、ぐったりと横たわったまま更に胴体を丸く膨張させ続けていた。 メタモン「ふふふ〜、ああなりたくなかったら、大人しくしてるモン」 そういいながらも、このメタモンも容赦するつもりはないらしい。 ルギア「(や、め・・・て。くれっ・・・!)」 口に翼を当てても、隙間からどんどんメタモンは進入を続ける。 いったいどれだけの量が入ったのだろうか、それでもメタモンの体は尽きることは無い。 メタモン「メタモン達は、なんで一番体重のあるグラードンになれるか。 なぜ一番大きなホエルオーになれるか考えたことはあるかモン?」 ルギア「ふ、はっ、むぐぅう・・・!(何が、言いたい?!)」 メタモン「つまり、本当のサイズを知ってる者たちはいないってことだモン」 そう、図鑑での身長と体重は「普段のメタモンの姿」であって 本来の質量とサイズは誰も知らない。 その事に気がついたルギアはぞっと背筋が凍りつき、咄嗟に腹部を押さえ込んだ。 変身メタモン「それじゃ、後は暫くよろしくモン〜」 伝説のポケモンたちになったメタモン達は、扉を開け外の世界へと向かう。 それを見送る「本物」達は今は身動きが取れないほどに丸々と膨れ、カビゴンのような丸い肥満体と化している。 このままでは本当に変身したメタモン達が「本物の私達」になってしまう。 ルギア「(いったい、どうすれば・・・!)」 薄れゆく意識の中、ルギアは自分の変わり果てた体を見下ろす。 --------------------------------------- メタモンの逆襲2 ルギア「ん・・・・ぐ…」 ゴブゴブと、絶え間なくメタモンの体内進入は続いていた。 あれからどれくらいの時間が立ったのかわからない。 呼吸するときには隙間を空けて空気を取り入れるのだが、すぐさま閉じられてしまう。 苦しい。 長時間、満足に身動きも取れず、ひたすらメタモンが内部へ進入することに対してなんの対抗手段も用いることができない。 先ほどよりも膨満したお腹に手を当てると、より先端が遠くなっている。 すでに腹一杯の状態にも関わらず、延々とメタモンは腹部へとその体を入れてくる。 ルギア「ふぐっ、んぁっ・・ゼェ、ぜぇ・・・・・・!」 一瞬の休息の後、すぐさま激しい進入が続き。お腹の重みがぐんぐん増していく 必死に力を込めてみるが、腹部膨張は止まらず無駄な労力に終わる。 誰も満足に動けない状態のまま、メタモンの内部侵略は止まることなく加速していく。 グラードン「む、ぐ、ぐぐぐ・・・!んぬうううっ!!!」 だが、ここでグラードンがその巨体を動かし始めた。 すでに巨大化したメタモンの大部分が内部へと入り、丸々とお腹が膨れているのにも関わらず ゆっくりとだが、一歩を踏み出したのだ。 グラードン「(こんな場所にいつまでも閉じ込めておけると思うんじゃねぇぞ!!)」 一歩、一歩確実に出口へ向けて進むグラードンを他のポケモン達も見ていた。 歩くたびに振動が響き、彼のお腹も同時に揺れる。 出口まで、あと少し。 だが・・・ メタモン「逃がさないモン〜〜〜。」 相変わらず平坦な口調で、メタモンの一匹が猛スピードでグラードンの体をよじ登っていく。 そのまま、口の中へと既に入っているメタモンを押し込みながらずぶずぶと飲み込まれていった。 グラードン「んぐっ??!!!」 ごぶり、と鈍い音がしてグラードンの喉が一瞬大きく膨れ、動きが止まる。 そして数秒もたたないうちに、グラードンの巨大なお腹が更なる膨張を始めみるみる大きくなっていった。 メタモン「大人しくしないからだモン〜」 グラードン「ん゛〜〜〜ん゛んーーーっ!!」 ずっしりと重そうな腹部は床にまで到達し、それでもまだ止まる事がない。 とうとう耐え切れなくなったのか、そのまま仰向けに倒れるとドズーン…と部屋に轟音が響いた。 完全に2匹のメタモンが入り終えたときには、カビゴンの太鼓腹など生ぬるいレベルにまで膨れ満月のようになっている姿が見られた。 グラードン「ふぅっ、ふぅ、ちくしょう、ぐぅうう、、く、苦しいっ−−−!」 ぜぃぜぃと荒い呼吸のまま、グラードンは起き上がることすら出来ない。 メタモン「お前たちも、下手な抵抗をすればああなるモン。 わかったら大人しくしてるがいいモン」 その一連のやり取りは、多くのポケモンたちの抵抗精神を削り取った。 その後もメタモンは体の中へ入り続けた。 ルギア「ハァ、ッムグ、うぅんぐ、!(もうっ、もう止めてくれ…本当に限界なんだ!)」 メタモン「まだだモン〜、まだ余裕が残ってるモン。もともと大きいお腹してるんだから、少しくらい我慢するんだモン」 そういって、メタモンは止まることなく私のお腹は更に膨らんでしまう。 この時になると、私達は呼吸困難による酸欠と、これまでに経験したことのない未知の感覚で頭が呆然としていた。 お腹が完全に満たされた状態は、腹一杯食事をした時にも似ている。 その時の幸福感や、快楽も苦しみと同時に味あわされてなんとも言えない気分が頭の中を支配していた。 限界を越えた量をお腹に入れたことで、これが満足すべき状態なのか苦しい状態なのかわからない。 これだけお腹が満たされているのなら、もしかしたら、もっと入れても大丈夫なのではないだろうか。 逆に苦しみがなくなって満腹感だけを感じられるようになるかもしれない。 ルギア「は、はぁ、んぐ、っぐ!」 ぼんやりとした視界の中、わたしは自分からメタモンの体を掴むと無意識のうちにそれを自分の口元へと運び・・・・ そこでハッとした。 「(わ、私は何をしようとしているんだ。そんな事をしても苦しみが増すだけだというのに!)」 慌てて思考を働かせ、なんとか自意識を保とうとする。 よく見たら、周りのポケモン達も苦しさのあまり逃避しようと、恍惚と苦悶の表情を入り混じらせた顔でまるで夢を見ているような姿にうつった。 私は、なんとかこの状態を抜け出さねば、と腹部の膨満から意識を背け考えることに集中した。 それから小一時間は立っただろうか、メタモンが体内に入り終えたとき私たちは自分でも驚くほどに体を巨大化…否、膨大化させていた。 ずっしりとした腹部は、パンパンに膨らんで入るが触るとメタモンの柔らかさが加わってぶにょりとした感触もある。 ルギア「はぁー・・はぁ、お前達はいつまでも体内にいるつもりか」 なんとかしようと、独り言のように呟いた言葉に、お腹の中にいるメタモンが答えた。 メタモン「そんな訳ないんだモン?ようはお前達の動きさえ封じればそれでいいのだからモン。 っと、そうこうしてるうちに準備が整ったみたいだモン」 いい終わらないうちに、ドーム状の施設の奥にある扉が再び開いた。 そこからやって来たのは、大型のトラック。だが運転手の姿は見えない。 どうやらメタモンが変身したもののようだが・・・ カイオーガ「何をする、つもりなんだ、、、?」 丸々としたカイオーガが息切れしながらその様子を眺める。 そのトラックの荷台には、山盛りの食料が詰まれてあった。 ルギア「ま、まさか!?」 メタモン「お前達の予想通りだなモン。お前達はメタモンが抜けても【同じく動けない状態】になって貰うんだモン」 パルキア「はぁ?どういう事だよオイ!」 メタモン「わからないやつには、お手本になって貰うモンモン〜〜」 なんだか楽しそうに、脇で待機していたメタモン達が荷台に積んであった食料へと体を伸ばし掴み取る。 そして、それを・・・大量の食物を全てパルキアの口中へと放り込んでいった。 パルキア「んが、がぁああ?!」 むく、むくりとパルキアの胴体が更に太くたくましく、ふとましくなっていく。 神と呼ばれていた頃の威厳や面影は最早どこにも無い。元からあまり無いが・・・。 カビゴンでも「こら引くわ」、というくらいの量が全てパルキアの体に詰め込まれていく。 パルキア「ぱる・・・ぐっ、ごふ・・・や、やべ、腹が…!」 妊娠したわけでもないのに、極端に膨れたお腹を抑えパルキアが泣きそうに唸る。 メタモン「・・・・というわけだモン?メタモン達が体内から居なくなっても大丈夫なように、沢山食べ物をプレゼントしてあげるモン〜〜」 荷台に食料を積んだトラックが次々と部屋に入ってくる。 果たして伝説・幻のポケモンたちはいったいどうなってしまうのか。 ----------------------------------------- //////////////////// メタモンの逆襲3 へんしんされたメタモン達に居場所を奪われてから、2ヶ月が過ぎた。 伝説・幻の多くのポケモンは彼らのアジトらしき巨大施設の会場でその動きを封じられていた。 ルギア「はぁ、はぁ・・・ウップ。(今日もまた随分と量が多い)」 メタモン達が運んできた食べ物は、通常考えられる量を遥かに凌駕している。 山盛りの食糧は絶えず輸入され、それらは余ることなく毎日消費された。 その食糧を食べるのは当然ながら私達。 みんなメタモンが完全に抜け出た今でも、大きく膨らんだお腹を抱えている。 日々、高カロリーのポケモン用食品を与えられた私たちは風船球の如き肥満体へと化していたのだ。 ルギア「はぁー・・・。」 自分の立派なお腹を撫でる。元から丸みを帯びていた胴体は丸々とし、揉むとぷよぷよとした感触しか無くなっていた。 座っているのか立っているのか傍目には区別がつかず、お腹は地面に触れているうえに首まで短く見える。 はじめは食事を拒むものが多かったが、抵抗すればメタモン達が強制的に口元へ倍の食糧を押し入れてしまう。 大人しく食べていくうちに、どんどん腹の容量と食欲は増えてしまい、 今では空腹に耐えられなくなると自分から進んで食べ物を要求する始末。 大地を闊歩していた者。優雅に海をたゆたう者。大空を自由に飛んでいた者は強い重力に引かれているわけでもなく、ただ肥大化した自分の重さによって地べたに這いつくばることになった。 だが、いつまでもこの状況を甘んじているわけにはいかない。 私たちは肥満と生活習慣病に悩みつつも、テレパシーによって密かに作戦を練っていたのだ。 数日後。見張りのメタモン達が少ない日、私たちは計画を実行した。 ギラティナ「ふぅ、ふぅ、体が重い・・。そ、それじゃ始めるよ。」 たぷたぷのお腹を揺らしながら、ギラティナは今まで温存していた体力を使って反転世界への入り口を作り出した。 ギラティナ「さぁ、みんな早く!」 一足先にギラティナが反転世界へと移動する。 メタモンに気づかれる前に、急いで行きたいのだが歩くので精一杯のポケモン達は本気で急いだところでカビゴンの歩みよりも遅い。 ギラティナ「ふっ、ぐぅう、腹が地面に着いて邪魔だ・・・!」 ルギア「ぜぇ、ぜぇ、こんなに体力が無くなっているとは」 だがドスン、ドスンと地響きが起こるほどの重量の彼らが行進して気づかれないわけがなかった。 メタモン「貴様らさっきから何を騒いで?ーーーーむ、脱走するつもりかモン?!至急応援を要請するモン!」 ホウオウ「しまった、気づかれたか!」 焦る気持ちとは裏腹に伝説ポケモンたちの速度は一向に変わらない。 このままではすぐにでも追いつかれてしまう。 グラードン「ふん、とろい連中ばかりだ。我ならば体重が数倍になった今でもなんの苦もなく動くことが出来るぞ。」 そういって振り返ると、メタモンたちの前に立ちはだかった。 パルキア「ぜぇーぜぇー;。おい何してんだよ、止まってねぇで急げよ!」 グラードン「ならばさっさと行くが良い。我はこいつらを食い止め、後からいく。 ・・・と言いたいところだが、我の体型ではもはや反転世界への入り口は通過できぬのだ。 うまいメシを食いすぎたせいだが。ならばせめて時間稼ぎをしようではないか。」 確かに、元から一番体重のあったグラードンはみるみる増体して誰よりも太ってしまった。 今ではウェストがどれほどあるかわからないが、見事と言うほどに丸々と突き出たお腹を持ち腕や足まで太く見える。 メタモン「ええーい、邪魔だモン!そこをどくんだモン!」 追っ手のメタモン達は巨大なお腹をよじ登って通り過ぎようとするが、グラードン達はその追っ手を飲み込んでいく。 グラ「(ゴクン)・・ぐふっ、行かせぬと、いっただろう。」 メタ(お腹の中)「うむむむ、デブが邪魔をするなモン!吐かないと・・・こうだモン!」 腹部に入ったメタモンたちは、初めてポケモンたちにそうしたように再び体内で巨大化し始めた。 しかしあの時とは違い、グラードンは何倍のサイズにもなりメタモン達も何匹も入り込んでいる。 ぷくぅ〜。と丸かったお腹が風船みたいに更に膨張してしまう。 グラードン「ぅ!??ぐ、ぐぐぐ・・・・!」 だが、必死に胴体に力をこめて無理やりメタモン達をおさえこむ。 メタモン「な、なんてパワーだモン・・・どんどん圧縮されるモン!」 そうこうしてる間に、ディアルガやパルキア、ホウオウ達も反転世界へと移動することが出来た。 反転世界では重力が不安定なため、体重がどれだけ増えようが関係なく移動が可能になる。 しかしルギアやカイオーガは未だに遠い。 メタモン「ええい、そこの赤いデカブツにいつまで構ってるモン!他の連中も取り押さえるモン!」 部隊長らしきメタモンが、複数の部下を引き連れてグラードンの脇をとおりぬけようとする。 しかしそこにも同じく立ちはだかる相手が待っていた。 カイオーガ「・・・お前にばかり良い格好はさせられぬ。お前との決着はついていないのだからな」 レックウザ「やれやれ。貴様らが残るのなら、我も見届けねばならんではないか」 そしてカイオーガとレックウザも、同様の目にあって以下略。 グラードン「ぜぇはぁ、うっぷ、−−−死にぞこないどもが、勝手にするがいい。」 グラードン「(・・・すまない)」 どっかの仮面騎士の台詞を心の中で呟く陸の王。 陸海空の伝説のポケモンたちが足止めしてくれたおかげで、残るはルギアのみ。 しかし100メートルも進んでいないのに、肥満と極度の運動不足が祟り彼は瀕死状態レベルに疲労していた。 「うぐぐぐ、彼らが頑張っているのだ私が止まるわけには・・・!」 太る前からあの体型だったルギアは、普段からクールに振舞ってはいるものの食い意地が張っていた。 ここに監禁されて以降、お代わりもけっこうしていた彼はそれはそれは立派な体格と体重になり そして今、歩くだけで疲労困憊という状態だ。 ギラティナ「早く早く!」 ホウオウ「何をしておるメタボケモン!」 ルギア「わ、わかっている・・・」 ようやく到着し、反転世界へと飛び降りるのだが・・・ ズッポリと穴にはまり進まない。腹がつかえてしまった。 パルキア「ちょwおまwwどんだけ太ったんだよオメェは!」 ルギア「今行く・・ふん、ぐぐぐぐ!」 だがいくら腹を引っ込めようとしたところで何も変わらない。 このまま蓋になるのも手かもしれないが、それでは私達の為に残ってくれたグラードン達に申し訳が立たない。 オオカブを引っ張るが如く、ポケモンたちが力を合わせてルギアの足を引く。 ホウオウ「だからもっと普段から運動しておけとあれほど!」 ルギア「・・・以後善処する」 おかげでようやく私も反転世界へ入ることが出来た。 しかしグラードン達は未だにメタモン達の場所にいる。 /////////////// グラードン「・・・いったか。」 他の者たちが行ったのを確認すると、グラードンはたぷたぷのお腹を引きずるようにして反転世界の入り口へ向かう。 そこに仰向けに倒れこむと門をふさいでしまった。 グラードン「後は任せた・・・・我らは、もう体力の限界だ。」 メタモン「くっ、まさかあんなメタボ共に逃げられるとは思わなかったモン。 腹いせにこいつらをもっと太らせてやるメタ!」 そして、グラードン、カイオーガ、レックウザには更なる量のポケモンフーズが無理やり与えられてしまうのだった。 //////// メタモンの逆襲4 本物に成り替わろうとするメタモンの計画。 身動きを封じ、ドームに閉じ込められていたが仲間の助けを借りてなんとか逃げ出すことができた。 ギラティナの力を借り、反転世界へ向かった私たちは重力が不安定な場所を通り、それぞれが本来居るべきはずの場所へと向かった /////////////////// ルギア「ふぅ、ひぃ、疲れる、、、、。それにしても島までは、どれぐらいの距離があるのだろうか?」 重力の少ない状態でもこれほど動けないとは思わなかった。 風船球みたいな体で、飛べているのが逆に奇跡なのかもしれない。 もっとも、元の体型でもエスパーの能力の手助けがあって飛んでいるから不思議でもないのだが。 かなり長い時間をかけ、ようやく目的地へとついた。 反転世界には入るのは難しいが、表の世界の住人が出て行くのは簡単らしい。 大きな力を使えば、本来居る世界へのリンクを繋げることが出来るそうだ。 ルギアは疲労と空腹を振り払って、元の世界、、、、自分の持ち場へと向かった。 メタモンの話が本当なら、今頃はアーシア島で自分に化けた奴が島を統治しているはずだ。 ルギア「ぐっ、お、重い・・・・!」 ずしん、と地響きを立てて大地に降り立つルギア。 久々に本当の重力の下へくると、自重が信じられないくらいあって正直ショックだった。 ルギア(1tぐらい、超えてしまってるんじゃ。。。。。。。いやいや、そんなはずは;) ドキドキしながら、メタモンを探す。 一歩進むたびに、はち切れんばかりの大きな腹がゆっくりと動く。 ルギア(こんな姿、あの3羽の鳥(トリ)オに見せられん。、、、だが、しかし) 協力してもらった方が確実かもしれない。 だが今の自分の姿こそ、偽者のそれではないだろうか。 ルギア(本物と証明するためには、、、、以前黙らせた時のようにまたヤキを入れるべきか、、、。) そんな事を考えつつ氷の島に向かったルギアは再びショックを受けた。 そこにはコロコロに太ったまん丸なフリーザーがいたのだ。 ゴロンと寝そべったまま顔だけをこちらに向けている。 普段のクールなイメージは無く、ぐうたらのポケモンと化していた。 フリーザー「おやルギア様じゃ無いですか、ちょっと見ないうちに随分と太りましたね。今回は差し入れは無しですか?」 羽を伸ばし、むしゃりと木の実を食べる。 よくみたら彼の脇には山ほど食べ物がつんであるではないか。 ルギア「な、いったいどうしたのだ?島周辺を見回りもせず、ゴロゴロと、、、?!」 どうしてそんなに太ったのだ、という言葉は流石にいえなかった。 だって自分がそれ以上にぷにぷにで丸々としてたから。 フリーザー「いや、ずっと待機してろ、っていったのはルギア様じゃないですか。差し入れも毎回大量に持ってきて。」 喋りながらも口は絶えず咀嚼しているように動いていた。 ルギア「私はそんな命令は、、、、(?!) そうかメタモンめ、私の姿で勝手なことを、、。」 ルギア(くそ、既に彼らも身動きを封じられたのか、、、、。) ルギア「、、、フリーザーよ、お前いま飛べるか?」 フリーザー「は?何を言ってるんですか、勿論飛べるに、、、」 バタバタ、、、、、ドスン。 一瞬浮いた が それだけ。 ルギア「よし、次の島だ。」 フリーザー「あれ、おかしいな、、、って、ちょ、ルギア様どこへ?!」 無表情のままルギアはバタバタ羽ばたこうとする彼を置いてさっさと行くことにした。 //////////// 案の定、ファイヤーとサンダーも以下略で ノーマルのモンスターボール初投で捕まえられそうな感じだった。 ルギア「、、、、しかし肝心のメタモンはいったいどこに? 私は、最近どこへ居る事が多い?」 ファイヤー「えー(太ったうえにボケた。もう年なのかなルギア様(・A ・))ーっとそうですね、うずまきじまへ帰っていたと思いますけど。 あ、それよりもお代わりってもう無いんですk(ry」 ルギア「くっ、うずまきじまだと、、、、劇場かゲーム版かはっきりとして欲しいものだな!」 結局、逃亡時に反転世界に入ってからルギアがうずまきじまへ到着するまで1週間以上かかってしまった。 長距離の移動でけっこうダイエットになったのだが、途中我慢できずにザボン七島のザボンを食い荒らしてしまった為、 体重は増加してしまった。カビゴン涙目。 ルギア「ぐぷ、、、しまった食いすぎたか。」 さすがに数百キロ分もの果物をお腹に貯えてまともに飛べるはずも無かった。 ぼうぎょととくぼうは凄まじい事になってるかもしれないが、お腹以外の耐性は変化ない気もする。 何度も休憩しながら、ようやくうずまきじまへ着いたのはいいが入り口が見当たらない。 ルギア(正確には今の自分の体型に見合う入り口が、だが。) ふわふわと風船のように旋回し、なんとか自分が入り込めそうな場所を見つけた。 火山の噴火口みたいな空洞入り口にゆっくりと降りていくルギア。 ルギア「う、この、くそ、狭いな・・・!!」 ぐいぐいと尻尾と胴体を押し込み、なんとか洞窟に入ることが出来た。 自分に成り代わっているはずのメタモンを探すルギアだが、移動が遅すぎる。 少し歩いただけで息切れするし、でかい腹が邪魔で歩くのにも苦労する。 飛ぼうにも今の体重を浮かせるにはかなりの精神力を費やすから無理だった。 るぎあ「ドスドスと騒がしいと思ったら、、、、無様な姿だな」 ルギア「む?」 探索を続けていると、相手の方からやって来た。そんなに足音が大きかったのか。 だがこちらにとっては好都合。 ルギア(もう歩きたくなかったし) 偽ルギア、以下るぎあとする。 るぎあ「しかし、その体型でここまで来たのは賞賛に値するという物か。」 ルギア「ふん、褒めたところで何も出ないぞ」 るぎあ「そうか。腹は出っ放しだがな「う、うるさい!お前らのせいだろう!」 、、、、、悪い泣くな、だが元からの体型の事を言ったのだ。。」 るぎあ「だがそんな体じゃさぞかし腹も空いてるんじゃないか?向こうに食料の貯蓄している場所があるが。」 それはありがたい、丁度小腹が空いてたし ルギア「ってまて、なぜ敵であるお前が塩を送るような真似をする。どうせ罠だろう?」 るぎあ「お前がここに来ることなんて想定してないさ。鳥たちへの食料で、毒なんか入ってない。」 せっかく忘れていたのに、そんな事を言われるとだんだん空腹感が。 ルギア「(ぐぅうう〜〜)・・・う。」 るぎあ「ふふふ、なんだかんだ言って、体は正直じゃないか。」 そう言いながらるぎあが優しく赤子に触れるみたいにお腹を優しく撫でてきた。 ルギア「っく、な、何をする?!(こ、こいつっ、意外とテクニシャんぐふぁくすぐったい///)」 るぎあ「想像以上にぷにぷにしてるな。本当に食べなくていいのか?」 や、やばい、腹に意識が向くと益々空腹感が強くなってきた。 こいつニヤニヤしながら、、、その事を解ってやってるのか! だが私は、偽者を、倒さなければ、そして仲間と合流して、島に残ってくれた彼らを、助け、なければ (ぐきゅるるる) ルギア「・・・・・・。」 たとえ罠だとしても、腹が減ってはバトルも出来ぬ そんな言い訳を胸にルギアは洞窟の奥へ向かった。 そこには確かに大量のきのみや食べ物が山積みされている。 るぎあ「さぁいくらでも食べてくれ。貴方には感謝しているんだよ。 今まで誰からも相手されなかった私達の事を誰もが見上げ、敬ってくれるからな。 戦うのはそれからでも良いだろう?」 ルギア「ふん、食べ終わったらすぐに本来の位置に戻して貰うぞ。ちからずくでもな」 そして私は、身近にあったきのみを一つ取り食べ始めた。 メタモンの逆襲5 ルギア「あーーーーん。もぐもぐ、ゴクン。げぷっ」 ルギア「(確かに罠ではないみたいだ。てっきり睡眠薬でも混ざってるかと思ったが)」 相手の言うとおり、私が来ることは想定外だから準備されてるわけないか。 と、安心してからバクバク食べてしまった。 むむむ、これではダイエットに苦労しそうだ。 るぎあ「満足してもらえたか?・・・・・・ま、その様子だと聞くまでもないか」 そう言いつつ、膨れたお腹を下からたぷたぷたぷたぷ・・・・・・。 まるでバスケのドリブルのようなリズムで遊んでいる。 るぎあ「伝説のポケモンの威厳も何もあったものではないな。」 ルギア「Σだぁっ?!またお前は、、、いきなり何をする!」 るぎあ「ん?あー、気にするな。面白いからやってるだけだから。 (このむにむに感は同族を思い出すモンなー。みんな元気でやってるかなモン。)」 この、偽るぎあ(メタモン)は、なんとなく空しさを覚えていた。 慕ってくれるポケモン達は大勢増えたが、決して自分を見ているわけではない。 彼らは「ルギア」の姿を見、言葉を聴き、対応してくれているだけ。 (なんだか、みんなと一緒にいた時の方が楽しかったんだモン。) なんだか、偽るぎあの様子がおかしい事に気がついた。 今なら、チャンスかもしれない。 しかし、お腹一杯になったらなんだか眠くなってきたぞ。うん、かなり眠い・・・ あぁ、駄目だ、ここで寝てしまったら来た意味が・・・ ルギア「ふわぁーあ・・・。」 丸々(まるまル)ギアはなんとなく愛らしいアクビをして眠ってしまった。 彼が始め警戒していたように、睡眠薬が混ぜられていたのだ。 るぎあ「睡眠薬入りとはいえ、こうも簡単に眠ってしまうとは・・・。 食い意地が張っていて助かった。」 伝説とはいえ、こんな超メタボ体型で何か出来ると思ったのだろうか? 戦闘するどころか、身動きとるだけで苦戦するだろうに。 「とはいえ、太っても伝説級・・・用心するに越したことはないか。」 そして翌日・・・。 ルギア「ふー・・・よく寝た・・・・あれ、なんかおかしいな・・・」 寝起きでぼーっとしている。意識が覚醒するにすれ、現状を次第に確認していく。 そうだ、のんきに寝ている場合じゃない。 ハッとなってあまり自由の利かない自分の体を見る。 「・・・。」 てっきり拘束でもされたかと思ったけど、ただ太りすぎなだけでした。逆にショックだ。 完全に思い出した・・・。メタモンに成りすまされ、まぁ色々とあって、私はこんなに太った姿になってしまったのだった。 本来あるべき位置に戻るため、偽るぎあがいるここに来ていた。 「だが、寝ている間は隙だらけだったろうに・・・」 なのに何もされていない。不思議に思うルギア。と、風の流れと一緒に”フワァ”と良い匂いが漂ってきた。 ふと視線を上げると、目の前には大量のご馳走が並んでいた。 「こ、これは・・・?!」 ぐぐぅううきゅるるる、とルギアのお腹が元気よく反応した。 るぎあ「おや、目覚めたか。ぐっすり眠ってくれたみたいだな。」 メタモンが変身した、偽るぎあだ。落ち着き払った様子で、こちらに警戒するそぶりすら無い。 るぎあ「腹が減るだろうと思って、お前の分の食料を用意しておいたぞ。」 ルギア「なん、だと? 何を企んでいるんだ。」 るぎあ「別に何も。」 ルギア「・・・・。(ぐぐぅーーー)」 再び腹の音。ぅう、ぜんぜん我慢できない。しかも、凄い美味しそうな果物があるし、おやつやジュースまで完備の至れり尽くせり。 るぎあ「お前のおかげで、私はこの地位を手に入れたからその感謝の気持ちさ。さ、遠慮無く食べてくれ。」 ルギアは迷った。気持ちは迷ったつもりだったが正直な体が気がつけば木の実を掴んで口の中に放り込んでいた。 あぁ、この山程の食料を全部食べたら確実にまた太ってしまう・・・けどやめられない止まらない。 長時間眠っていて空腹が半端なかったし、凄く凄ーく美味しかったのだ。 「(むしゃもぐ、むしゃごくん)折角用意して貰ったんだからな、敵とはいえ、(モグモグ)無駄には出来んし。」 言い訳がましく、独り言を繰り返しながら休むことなくルギアはどんどん食べ続けた。 みるみる巨大な腹がますます膨らんでしまい、それでもルギアは更なる満腹感を求めた。 お腹一杯になり、その後渡された睡眠薬入りジュースで再び眠りにつくルギア。朦朧とする意識の中、彼は思った。 −ーーこれはマズイ感じの無限ループじゃないか、と。 しかし、翌日も別のパターンとはいえ基本は一緒(食べまくって満腹になり眠る)で、予想通りの展開が待っていた。 2,3日続けて似たような展開が繰り返され、なんとか我慢したのだが、この超肥満体型の食欲は想像を遥かに超えていた。 1日我慢して耐えてみようものなら、次の日は腹が爆発するんじゃないかってぐらい膨れるまで食べ終わってからようやく意識が回復する程だった。 そんな生活サイクルが続き、当然言わなくてもわかるようにルギアは“今より”“更に”“太って”しまったのである。 体重は推定・・・いや、やめておこう。流石に傷ついてしまう。だが、その圧倒的なお腹周りは、どんな特殊加工撮影をしてもごまかしがきかないだろう。 そしてとうとう2週間が過ぎる頃には・・・ 「はぁっ、はぁ、むぐぐ、うぅうん、うううー・・・ぶはぁ、駄目だ・・・!」 丸々コロコロと太ったルギアは、必死に腕羽?を伸ばすが届かない。とうとう自力で食事が出来なくなってしまった。 今じゃ腹側だけでなく、背中側もかなり綺麗な孤を描いており、尻尾も足も3,4倍の太さになっていて、腹が若干めり込み気味。 るぎあ「やれやれ、仕方ないな・・・。」 るぎあが拾って山盛りの果物を渡してあげる。腹に乗っからないと届かないのだが、それはルギアが相当なボリュームのボディになってしまっていることを示していた。 ルギア「す、すまない。恩にきる。」 るぎあ「何、どうってことない。(しかし、こうも簡単に罠に陥るとは・・・本当に、ルギアは伝説級のポケモンだったのか・・・?いや、食欲と太り具合だけは目を見張るものがあるが・・・。というか凄いお腹だモン)」 こうしてみれば、ルギアはただ食欲のままに食べているだけで、一生脱出することが出来ない退路の断たれた状態に見えるかもしれない。 ちなみに、予断であるがファイヤー・フリーザー・サンダーもなかなか酷い風船状態になっている。 このまま、メタモンに「ルギア」という存在は奪われたままなのか・・・。しかし、ルギアは決して諦めていなかった。 チャンスを見計らっていたのだ。 2週間後。市販のメジャー3,4個を伸ばして連結させないとウエストを測れない程度に太った超巨大ルギアが洞窟にいた。 「ふぅ、ふ、うっ・・・ゲホゲホ、飲み物を、くれないか・・・ふーーー・・・」 なんだかそこに存在するだけでも疲労してしまうルギア。ここまで太ってしまえば仕方ない。むしろ、よくそこまで巨大化できたと褒め称えたいぐらいなのだ。 るぎあ「だ、大丈夫なのか?」 こうなるよう仕向けたのは自分(メタモン)だが、流石に心配する。まさかここまで巨大化するとは思えなかった。風船というより、最早球状のドームを思わせるサイズだ。 流石にそれは言い過ぎかもしれないが、ぽよんぽよんに肉を溜め込んだお腹はこれでもか!ってぐらい膨らみ切っていた。呼吸するたびに大きく収縮を繰り返す様は、なかなか圧巻である。 偽るぎあであるメタモンが、特性のミックスオレを持ってルギアに持っていってあげる。 今では手渡しても自分で飲めないのでかなり近づかないと飲ませてやれない。 「ふぅふぅ、すまない、もう少し、近づいてくれ・・」 「わかった、ちょっと待ってくれ。」 相手は自分のこの姿に油断している。ーーーー今しかチャンスは無い。 ルギアはこの時をずっと待っていた。距離とタイミングを見計らう。 ぐぐぐ・・・全身に力を込めて準備する。偽るぎあが自分の目の前にまでやって来る。大きく深呼吸ーーーだが息は吐かずに吸い込み続ける。 ルギアの腹部がむくぅーと膨張するが、相手は気づいていない。 「ほら、飲めるか・−−−ぐ?!」 突然、ルギアが顔を近づけて口を塞いだ。ガッシリと捕まえられ、偽るぎあが自体を把握する余裕も与えないままに、全力を持ってルギアはエアロブラスト(高圧縮濃度空気弾)を相手にぶち込んだ。 ごぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!! 偽るぎあの体内に一瞬で台風のような勢いで風が爆発する。 「ンンンンン?????!!!!!」 目を白黒させて、相手が暴れようとするーーーが膨れていく体をどうする事も出来ない。 ルギアは自分と同じ姿の相手がまるで風船のように膨らむ姿に少しだけ抵抗を覚えたが、容赦はしなかった。今を逃せば二度とチャンスは巡ってこないのだから。 体内に溜め込んでいた空気をひたすらに吐き続ける。 「フムーーーー!!?ムっ、ンンーー!!?」 苦しいのだろう、泣きながらジタバタ暴れる偽るぎあ。今では完全な球体に近づいており、頬っぺたもお腹もパンッパンに膨張している。 みるみる大きくなっていき、とうとう今のルギアと同じぐらいに偽るぎあは膨らんでしまった。 ググ、ギュウウ、グッ、グググ・・・・−−−−! 互いの腹が擦り合って、特に相手側からゴムか風船をこすり合わせたような鈍い音が聞こえ始めた。 「ンーー、ンッ、ンムフ・・・・!??(パっ、パンク、しちゃうっ・・・・!)」 限界を感じたメタモンは、もう何も考える余裕が無くなって、必死に手足をバタつかせるが何の意味も無い。 そればかりか、巨大な空洞と思っていた空間も、2匹の巨大風船で完全に支配されつつあった。 ミシミシと音を立てて、天井がパラパラ小さく崩れる。このまま洞窟が崩壊してしまうのではと思うと、偽るぎあは焦った。 そして、とうとう 【ぶしゅるるるー・・・】 と、なんだか情け無い音を出しながら、ギャグ漫画かアニメみたいに空気を漏らしながら偽るぎあは飛んでいった。 しゅうしゅうと縮んでいく偽るぎあ。だんだん変化もとけて、完全に空気を吐き出す頃には元のメタモンに戻っていた。 ルギア「ふぅふぅ、これで、私の勝ちだな。」 「あ、あわわ・・・しまったモン。変身がとけちゃったΣ で、でもすぐにまた“へんしん”すれば問題な・・・・・あ」 慌てたせいですぐに「へんしん」を開始したメタモンは気がついたようだ。だが、もう遅い! 「気がついたようだな、お前が変身できるのは目前にいる相手・・・つまり“今の私”だ。」 「うぅ、そんな、、、、」 「そしてお前たちは、一度開始したへんしんは止められないし、自力では解けない。」 説明する間も、目の前の相手はルギアに変化していく。どんどんふくよかになっていくが、これが自分の姿なのだと思うとちょっと泣けてきた。 お腹がむっくむくと成長していく。そしてガスタンクみたいに巨大なルギアが、爆発的な勢いで膨張して誕生(う)まれた。 何度も言うが、これが今の自分の姿なのか・・・うぅ、そういえば水面や鏡で姿を見れないほど太っていたんだった。 「う、動けない、モン・・・ふぅふぅ、ううう、こんな状態じゃ、もう何も出来ない、、、。」 「ふっふっふ、私はダイエットすれば痩せられるが、お前は当分そのままだろう。 これで後は私がダイエットすれば、全て元に戻る。」 あの体型で、逆転するとはルギア恐るべし。むしろ、こんな体型だからこそ相手を封じ込めることが出来た。 いや、ルギア自身もいまやほとんど動けないのだが。 「さて、後はダイエットだが・・・んーむ、テレパシーで協力を仰いでもらうしかないか・・・。」 どうしようかなぁ、と考えていると、突然、目の前の偽るぎあがポロポロと涙を零し始めたのだから、ルギアはギョッとした。 「・・・やっぱり、悪い事はしない方が良かった。」 ずっと前から、気づいていたのだ。仲間たちと一緒に、のんびり暮らしている方が楽しかった。 「僕、ずっとこのままなのかな・・・みんなとまた一緒にいたかったよぅ・・・・。」 クスンと声を出して泣く始末。どうやら、大人っぽい仕草はあくまで真似だけで中身は幼かったようだ。 ルギアはやれやれとため息を吐きながら、甘い考えを持った自分に苦笑した。 「別に、お前をどうこうしようとするつもりはないさ。反省してるようだしな。」 「え・・・?」 「それに、自分の太った姿をマジマジと見つめるのは少々つらいのだよ。 ちょっと痛いかもしれないが、それぐらいは我慢して貰うぞ?」 そして、再び大きく息を吸い込んでお腹を1・3倍ぐらいに膨らませると強力なエアロブラストを吐き出した。 強い衝撃が相手を襲い、その反動でメタモンのへんしんは再び解けた。 「ど、どうしてだモン・・・?僕らは、あんなに酷い事をしたのに。」 「さぁ、どうしてだろうな。私達も未熟だったんだ。」 ふ、と小さく笑った。 なかなかイケメンらしい行動や場面なのだが、やっぱり太りすぎのルギアではいまいちしまらなかったーーー。 それから、仲間に連絡したところ、他のみんなはとっくに解決済みだったという。 ミュウツーやホウオウなんかは、かなり元の体型に戻っており、逆にここまで太ったのは私とグラードンだけだったらしい。うぅ、なんだか恥ずかしい・・・。 だが、とりあえずメタモン達は全員反省したようだ。へんしんによって得た地位や人望は、何の意味もないと身を持って悟ったし、悪い事をすると必ずその報いを受けると気がついたからだ。 1ヵ月後。 「うぅーん、た、食べすぎたぁ・・・;」 「だ、大丈夫かモン???」 あれからダイエットしてルギアはそこそこ痩せた・・・・と思ったのも束の間、あっという間にリバウンドしていた。 せめてものお詫びに、とメタモンが彼の身の回りの事を全てやってくれるようになると、ルギアは完全なグータラポケモンへと進化して、食っちゃ寝を繰り返し、 以前のボリュームを追い抜きそうな破竹の勢いでその超巨大な風船腹を成長させ続けている。 彼が本当の意味で「元」に戻る事が出来るのは当分先の事になりそうだ・・・ 【おしまい】 おまけ カイオーガ「ぐ、グラードン。お前、一番体重があるポケモンだからって限度ってものがあるだろう・・。」 グラードン「げふっ、な、なんだよ。どうせ一番ならどれだけ増えても順位は一緒だろ?」 山のように巨大なグラードンはもぐもぐと木の実の山を減らしていた。そのお腹の突き出具合は身長よりも遥かに大きい。 体重1位の座をかけて争っているわけではないが、ルギアとグラードンの体重は今や誰も追いつけないぐらいになっている。