〜まとめ〜 ヨノワール:敵役の位置だが、出番的に主役 ヤミラミ:ウィイイではない。普通に喋る。ヨノ様の忠実な部下。複数いる。 ライチュウ(?):伝説の雷獣。十数メートルかそれ以上の怪獣。身長も大きいがお腹周りが凄い。肥満化雷・10万膨ルトを使う。 ジュプトル:本来は正義サイド。でも出番はラストだけ()笑  探検隊+コロリンって感じ。 ルギア:(食欲と体型が)伝説のポケモンで常連客。むしろ住み着いている。ダイエットしていたが、意志が弱く、無料飲食店の虜になり超肥大化。      更に10万膨ルトの集中砲火を浴びて、店を破壊しつくす程度のパンパン巨腹と化した。  荒廃しつつある未来世界を救う為、ヨノワールは過去の世界にやってきていた。 無自覚の罪、をポケモン達に意識させる為、半ば強制的な方法を繰り返しては、穏健派のジュプトル達に止められる。  今回は未来の食糧問題を改善するために、ポケモン達を騙していた。 無料飲食店を利用し、好きなだけ食べさせ、食料を残させる。 結果として怪獣(超巨大雷獣)が生まれ、食べ物を大事にしなかったポケモン達やその周囲により酷い仕打ちを受けるように仕向けた。 (なんとも回りくどい方法だが、ツッコミしてはいけない。) 雷獣(ライチュウ)の力によってぶくぶくのパンパン状態に肥え膨らんでしまったポケモン達。贅沢三昧で最大のサイズになっていたルギアは、とうとう店を破壊するまでに腹を超巨大化させてしまう。 だが、雷獣とリンクするヨノワールは、ただでさえ下準備の時に何倍にも太っていたのにどんどん膨らんでいき、巨大風船のような体と化していた。 そこへ、ヨノワールの企みに気づいたジュプトル達が向かう。 ============ ジュプトルは、セレビィ、そしてカメックスとボスゴドラへと協力の指示を出してから、単身ヨノワールの居場所へと急いだ。 「らっ、ラーイ!ラァア〜イっ、、、!」 ヤミラミ達にぐいぐぐいっと食料を押し込まれるライチュウは必死に抵抗するが、手足を少しバタつかせる程度で ろくに動けない。 カビゴンがお座りしてるような体型のまま、その真っ白なお腹をむくむくと大きくしていた。 「ひぃひぃ、これだけ食べさせないと10万膨ルトを出さないなんて。」 「すんごい、デブだよなぁ・・・。」 バケツリレーのごとく食料を運ぶヤミラミ達は雷獣の許容量に驚きつつも、必死に作業を続けた。 ■□■□ その頃、地下室ではヨノワールもライチュウと同等かそれ以上の苦しみを味わっていた。 「ぐっ、ぬぐぐぐぐ、ぬぉぁあ・・・!」 力をこめて、必死に腹の膨張をおさえつける。流れ込むエネルギーを圧縮し続けているが、もう限界は超えている。 現時点で本来のヨノワールの何倍にも膨れた体だが、もしも圧縮した体を元に戻すなら、すでに“あの”ルギアより巨大かもしれない。 「ふ、凄い体になったな。そこまでするお前の思いは認めるが、やり方が間違っている」 「ふー、ふー、むぐぅ。ぐっ、その声は、、、またお前かジュプトル!なぜいつも俺の邪魔ばかりするんだ・・・!」 ヨノワールは顔を上げるが、自分のデカっ腹のせいで相手の姿が見えない。 ジュプトルが何かをしている事はわかるのだが、あまりに腹が苦しくてほとんど把握できない。 「ヤミ、ラミ達は、げぇっぷ。どうしたんだ?」 「はぁ、はぁ、この地下に来る道中のやつ等は、うっぷ、全員寝てもらっているさ。」 気のせいか、ジュプトルも何か苦しそうだ。走って疲れたというよりは、まるで食べ過ぎた後のように。しかも声がやけに野太い。自分はもっと太い声であるが。 不審に思ったヨノワール。だが、その謎はすぐに解けた。 顔の近くまで“のっしのっし”と歩いてくるジュプトル。その姿は、推定4、500kgは軽くありそうな体格で本当に丸々としていた。 「・・・貴様、本当にジュプトル、か?」 「ふん。お前よりはマシだろう。来る途中身動きが取れなくなった連中から、ギガドレインで不要なカロリーだけ大量に吸収してこのザマさ。 もっとも、軽症ですぐに動けるような仲間たちだけ助けただけだがな。俺が動けなくなったら元も子も無い。ーーうぷ。」 ふぅー、と深く呼吸する。今のジュプトルでは長く喋るだけでも疲労するようだ。 当然ながら、街でライチュウの被害にあったポケモンたちは助けたが、店で激太りしてなおかつ膨れた連中は助ける事が出来ない。 100kg近く減量させても身動き取れないほどなのだから。ルギアは言うまでも無いが。 「ふぅ、はぁ、ふぅ、しかしこの場所に来てどうするつもりだ。雷獣を止めようとしても無駄だぞ。私ですら命令を出す事はもはや不可能だ。」 「お前を、未来に帰す。」 「ふ、ふふふ、それは構わないが雷獣はどうする? すでに奴が、ぐふぅ、蓄えたエネルギー量があれば、この一帯全てのポケモンたちは身動きがとれないほどの”球体ポケモン”へと進化する事だろう。 今回は、げぇっぷ、私の勝ちのようだ、な・・・!」 「フ・・・まだ、わからないさ。」 なぜか、ジュプトルの言葉はハッタリに聞こえない。どんな策があるというのか。 ーーーー 「あれが雷獣、か。改めて近くで見ると想像以上のデカさだな。」 カメックスは驚きと関心と、半ば呆れた表情で目の前のオレンジ色をしたデカブツを見上げた。 「ああ。そして太さも凄いものだ。」 ボスゴドラも同様に顔を上げる。それでも、大部分が真っ白な風船腹しか視界に映らない。 すでに周辺、そして雷獣に乗っていたヤミラミ達は気絶状態にさせた。 「よし、セレビィ、いいぞ!」 メンバー内で、唯一空を飛ぶ事が出来るセレビィは”サイコキネシス”で食料店倉庫の食べ物を山ほど浮かび上がらせると、再びライチュウに食べさせ始めた。 「ライ?!」 もうお腹一杯で苦しいのに、ライチュウは更なる食料攻撃を受けるはめになる。ガボガボと滝のように流れ込む高カロリーな食料たち。 口を閉じる暇もない。ライチュウはまたウルウルとした涙目になって、困惑する。 「けぷ。ライィ〜・・・」 「ごめんなさいね。もう少しの辛抱だから。」 しかし攻撃(?)の手は休めない。もうこれ以上は太らないだろうと思えるライチュウのお腹が更にぷっくりとサイズを増していった。 バチバチと体が放電を始める。蓄えきれないエネルギーをなんとか10万膨ルトで追い出そうとしているのだ。 「ぬぐうぅ?!うっぷ・・・!」 ヨノワールが苦しそうに呻き声をあげる。雷獣とのリンクが切れていないせいで、ライチュウの取り込んだエネルギーが彼に流れていくせいだ。 むくっ、ぷくぅっ、ぐん!と再び膨張が始まる。 「よし、そろそろだな。」 「ああ。」 カメックスとボスゴドラは身構える。 「ふー、ぐふー、大丈夫、なのか?」 前回、ライチュウにコテンパンに膨らまされたサイドンは、何故か彼らの真後ろに配備されていた。10万膨ルトを引き寄せる"ひらいしん”を使うためである。 「ら、ラァイ、ヂュウゥ・・・・!」 ライチュウが全身から超高エネルギーの10万膨ルトを放つ! それは集束し、サイドンの“ひらいしん"である角目掛けて一直線に向かうーーー が、その前にそれを盾のように立ち塞がるボスゴドラとカメックスが一身に浴びた。 「うが、ああああああああ!」 「・・・・・・・!!!」 バチバチと衝撃が体を走る。そして、まるで1ヶ月間バイキングで食べ放題を続けたかのような満腹感が腹を襲う。 5秒、10秒と浴びれば浴びるほど、カメックスとボスゴドラはエネルギーをどんどん吸収してしまう。 そして、みるみる体は膨張していった。 「ぐぅう、えっぷ・・・・!そ、想像以上だぜ畜生っ。」 「ぜぇ、ぜぇ。。。。!」 腹がパンパンに膨らみ、それでも腹部の膨張は止まらない。ウエストは2倍、3倍、4倍、それ以上。 丸みを帯びたお腹がパンパンに張り詰め、同時に太っていく体も全体的な丸さを誇張していく。 ボスゴドラやカメックスの、本来はガッシリとして硬そうなイメージのあるボディが、丸々パツパツでお腹ぼってりの柔らかそうな雰囲気へ変貌していった。 「よし、、、そろそろ、か。」 2匹の体が光を帯び始める。そして、とあるカウンター技を放った。 「ミラーコート!」「メタルバースト!」 それぞれ、受けた特殊攻撃を"2倍、そして1.5倍”の威力にして相手にお返しする技である。 という事は、説明するまでも無いだろう。 10万膨ルトで追い出した高エネルギーを3.5倍にしてライチュウはその身に受けてしまった。 「ヂュウウ”!!??」 ムクゥーーッ! と一目でわかるほど、雷獣の超巨大なお腹が成長する。というか太くなる。 たまらず、再び10万膨ルトを使ってエネルギーを出す。 それを受けて、更に巨大化するカメックスとボスゴドラ。当然ながら、また3・5倍にして送り出す。 だが、“跳ね返す”のではなく増幅してお返しするせいでカメックス達も非常につらい。 「ラァイ、ラーイ!」 消費したエネルギーが何倍もの量で帰ってくるせいで、ライチュウのモフモフボディは常識はずれなサイズにパンパンに太り、そのお腹は世界記録更新級だ。 その恐るべき半無限ループのやり取りにより、ある変化が起きていた・・・ 「ぬぉおおおお!!!ぐぷっ、ふぅふぅ!うっ、がっ・・・!!!」 地下室のヨノワールだ。ジュプトルによって取り付けられた電極を通じ、また元からリンクしている雷獣の膨大なエネルギーをひたすら体に取り込んでいた。 ぼんっ、ボンッ! とライチュウがカウンターを受ける度に極端に彼の体全体が膨張していた。 ジュプトルはヨノワールの腹の上にガッシリとしがみついて、電極が外れないようにしている。 「ぬぐぐ、ぐぇええ〜〜っぷ!はぁーっ、はぁー!ジュ、ジュプ、トル・・・ぐぁぅ?!」 すでにヨノワールは地下室一杯にまで膨れ上がっていた。ヤミラミ達は目が覚めたと思ったらヨノ様の腹による超膨圧で壁に押し付けられ再び気を失ってしまった。 ゴゴゴゴゴ・・・・。地上が揺れる。ろくに動けないほど太った客のカイリュー達は何事かと耳をすませた。 ビシ、ミシと床にヒビが走り、更に店内が激しく揺れ動いた。 「なに、なに、地震?!けぷっ。と、飛べないし、動けないよぉ・・・!」 あたふたとするカイリューやラティ兄妹。 次の瞬間、 ーーーードォオオン!!!!!!!! 超メタボと化したルギアをも超越した風船腹が地下から床を突き破り現れた。ヨノワールだ。 数千キロもの体重を誇る今の彼らを軽々と押しのけるほどの膨張力を有していた。 「うぅ、ぐぅうう・・・・・・・!」 時折ビクンと体を震わせ、苦しさの激しくなっていくお腹をなんとかなだめようとする。 しかし腕の長いはずだった彼も、膨れすぎた体では手でお腹を擦ることすらろくに出来なかった。 まだまだ彼の肥大化は止まらず、はち切れそうなほどにパンパンに膨れ上がったお腹はとうとう店を破壊しつくしてしまった。 (ルギアが壊した2号店よりは確かに小さいが、地下から考えると・・) 地上に姿を現した新しい“風船ポケモン”に、ポケモン達は度肝を抜かれた。 その腹回りは推定・・・ご想像にお任せする。 ゴーストタイプでなければ、ここまで体を膨らませてエネルギーを収納する事は不可能であっただろう。 「よし、もういいぞ!カメックス、ボスゴドラ!」 ジュプトルが、仲間達に合図を送る。 「げぇふぅ・・・・。へへへ、よ、ようやくか。先に俺達がパンクしちまうとこだったぜ。」 「フゥフゥ、だが、これで俺達の役目は終わったな。」 そしてジュプトルは叫ぶ。 「俺達と一緒に、未来へ帰って貰うぞ・・・ヨノワール!セレビィ、ときわたりの準備を!」 「ぐっ、ジュプトル、本当にいいのか・・・このままでは、未来は荒廃した世界のままだぞ・・・!」 「・・・俺も、あのままで良いとは思っていないさ。」 「うぅ、ならば、なぜっ・・・!」 ジュプトルは返事はせず、変わりにこの時代のポケモンたちへ向かって、力強く叫んだ。 「すまない!!みんなには迷惑をかけた!! だが、資源はもっと大切にしてくれ・・・・・そうしないと、また同じ悲劇が起こるかもしれない! 覚えておいてくれ!今一度みんなで考えておいてくれ!ーーーー!」 まだジュプトルの訴えは終わっていなかったが、セレビィの時渡りが発動し、ヨノワールやヤミラミ達、そしてジュプトルとその仲間は姿を消した。 取り残されたポケモン達は、滑稽な姿とは裏腹に真剣な表情で叫ぶジュプトルの姿が目に焼きついて離れなかった。 この時代に一番巨大化したルギアも、食べ過ぎかつ無駄遣いしすぎだった自分を特に反省していた。 エピローグ  未来世界にやって来たジュプトル達。 セレビィとヤミラミ以外は全員丸まるのプクプクに肥え太り、慢心創意状態だった。 変わらず、荒れ果てて樹には数えるほどしか実がなっていない世界 そこを出来る範囲で見渡して、ヨノワールは悔しそうに呟いた。 「見ろ、この世界を・・・。過去を変えねば、私達はこの先もずっと明るい未来を見る事は出来ない・・・!」 「ウィイ・・・」 しょんぼりと肩を落とすヤミラミ達。準備が大変だった分、落胆も大きかった。 そこへジュプトルがゆっくりと歩いてくる。 「過去を変えたところで、俺達の今いる未来に大きな変化は起きない。 結局は、俺達の力で今の世界を変えようとするしかないんだよ。」 「ふん、だが、どうするというのだ。大地は栄養が枯渇し、緑もろくにないこの世界で。 今日を生き抜くだけで精一杯の、この時代に。」 「俺達が頑張るんだよ。“お前”や・・・“アイツ”の力を借りてな。」 「なに?」 ヨノワールの視点からは(お腹の関係上)見えなかったが、ジュプトルはクイッと後方を指差した。 「ラィ・・・?」 そこには、きょとんとした表情で見慣れない光景に首を傾げる、パンパンに膨れ上がった超巨大な雷獣の姿があった。 その後ジュプトル達は、草ポケモン達のギガドレインややどりぎのタネ、でヨノワールやライチュウ、ついでにカメックスやボスゴドラが蓄えた不要なエネルギーを全て大地に還元していった。 そしてある程度大地を蘇らせると、緑を少しずつ増やし、循環を蘇らせ、そしてーーーー ===数ヵ月後=== 「ふん、正直ここまで豊かになるとは・・・な。惑星(ホシ)の力を侮っていたわけか。」 青々とした木々の中で、ヨノワールは差し込む日の光に目を細めた。 以前のような姿ではなく、すっかり元のサイズだ。とはいえ、完全に戻ったわけではなくまだ膨れたボテッ腹は健在である。 例の雷獣も大分エネルギーを大地に還元したおかげでかなり縮んだとはいえ、ライチュウとして見るとまだまだ常識はずれなメタボ体型でカビゴンのようなシルエットは変わらないようだ。 そこへ、ジュプトルが歩いてくる。 「だが、まだ一部分のみだ。過去の時代で見たような豊かな世界にするには、もっと俺達が努力しないとな。」 「ジュプトルか・・・。そんな事言われずとも、わかっている。」 ちなみに、ジュプトルの方はすっかり元のスマートな体型である。正直、ちょっと羨ましい。 「もう、あんな目に合うのはコリゴリだから、な」 そう言うと、ヨノワールは薄く笑った。 こうして、未来世界のポケモン達はその時代で逞しく生きていったという おしまい