†ゴズ・イーラ†  デザインはまんま王道的な怪獣。 [ゴズ・イーラへの逆襲] 20XX年、人々はとある“災害”に恐怖した。 いつからか[ゴズ・イーラ]と呼ばれる巨大な超生命体が現われ、 大型台風より酷い被害を齎しながら国を闊歩し街中を破壊しつくしたのである。 すぐさま対策本部が置かれ、自衛隊や特殊部隊が設立したが彼[か]の超生物(世間では怪獣と呼ばれている。以後、怪獣ゴズ・イーラとす)の駆逐が実行されようとしたが、ミサイルも最新兵器も通用せず、国は赤字になる一方だった。 対策本部にて、人々はどうしたものかと頭を悩ませていた。 「くそっ、また奴のせいでわが国の借金が膨れ上がっていく!!」 「あの怪獣はなぜ律儀に毎月やって来ては暴れるのだ・・・。」 「それが、どうやら普段は海や島で暮らしているようなのですが、一度人口食品の味を占めてしまったようでして、、、雑食なのですが、食品生成工場や肉や魚の食料品店を重点的に襲っているようなのです。」 「奴の上陸は不可能なのか?新作の兵器開発報告はどうなっている!」 「現状、奴の皮膚に傷を付ける事が可能だった兵器はありません。概念や理屈を超越した体を持っているとしか・・・おそらく核を使っても奴を仕留める事は不可能でしょう。それゆえ今では完全に“災害”として扱われています。怪獣保険なんてサービスを始める会社も・・・」 「そんな事は良い!それよりも、奴を止める方法を考えてくれっ! 奴の馬鹿げた食欲のせいで、我が国はいずれ破滅してしまう、、、!」 誰も良い考えが浮かばない。と、思いきや一人の何気ない発言で事態は違う展開を見せる。 「あの、、、押して駄目なら引いてみてはいかがでしょう。ゴズ・イーラを止めるのではなく積極的に呼び寄せて引き止めるってのは?」 その素っ頓狂とも思える発言に、誰もが肩の力を抜いて崩れた。 「馬鹿かおヌシは?!そんな事をしたら益々被害が出るではないか!」 「いえ、待ってください。ちゃんと説明しますから; えーっとですね、ゴズ・イーラは現代科学では説明不可能なレベルのスペックです。 身長は100m前後、体重は1万トンをも超えているとか。そんな体を支えるために、食欲も恐ろしく強いのでしょう。 だから、追い払うのではなく・・・」 こうして、[無人島へ誘導して、ゴズ・イーラの好物をひたすら供給する作戦]が決定した。 わらにもすがりたい気持ちだったのだろう。 食欲を増幅する調味料。満腹感の働きを抑制する食料。超高カロリーかつ依存度の高い嗜好品。 それらの研究・開発に3年が費やされた。 そして、幾度ものテストがあり、試行錯誤がありつつ、 遂にゴズ・イーラ誘導肥育作戦が始まった。 † ゴズ・イーラ「ガル・・・?」 美味しそうな匂いを嗅ぎ付け、ゴズ・イーラは本島近くの島へ誘導された。 そして、島に上陸するとそこには驚くべき量の、山盛りてんこ盛りの食料が用意されていたのだ。 「成功しますかね、この作戦?」 「してもらわねば困る。」 離れた位置から見守る人々。ゴズ・イーラは特に警戒した様子もなく、、、パクリ。 数十キロ、もしくはそれ以上の塊を一口で飲み込んだ。 ゴズ・イーラ「!!!」 カッと目を見開くゴズ・イーラに隊員達に焦りの表情が見える。まさか、罠だと気づかれたか? しかしその心配は杞憂に終わった。 ギャオーーンと大声で鳴いたと思うと、大怪獣はわき目もふらずにバグバグ・ガツガツと美味しそうに音を立てながら特性の食料を呑み込み始める。 まさに果てしない食欲であり、あっという間に食べ物のひと山が崩落した。その代償として、ゴズ・イーラの太ましい胴体がぼってりしたお腹となる。 そして次の食べ物の山に向かいたらふく食べ続ける。人々は暫く呆気に取られてその様子を見ていた。 結局、用意していた食料は予備も含めてすぐさま食べつくされ、そのまま日本上陸されそうな勢いだったので、急遽追加が運ばれてきた。 工場の生産ラインも大幅に強化して、日に日に激しさを増す怪獣の食欲と体重に合わせてゴズ・イーラ専用食がとんでもない量作られていく。 むくむくと怪獣は肥え太っていき、3ヶ月も立てば寝たきりになるほどのレベルになっていた。 手足は丸太以上にぶっとくて、首周りも太すぎて短くなって見える。 尻尾は以前の胴回りぐらいになったが、肝心の胴回りはそれはそれは立派になった。 超巨大なお腹(太鼓腹というかビール腹というか)は毎日過食するせいでパンパンに膨れ上がっており、ウェストは推定で250メートル以上になったとかいないとか。 (とはいえ身長が100メートルなので、シルエットはそこそこに太ったドラゴンぐらいかもしれない) 「・・・それにしても、予想以上に太ったな。仰向けに寝た大亀でもあるまいし、まさか起き上がれない程とはな。」 「ええ、それに我々が食料を与えるおかげで、おきる必要も無いと学習したのでしょう。そのおかげで、益々太っていますよ。」 「自分で餌を取れないなら、このまま放置して餓死させる手段もあるのではないか。奴の食費代も管理代も、馬鹿にならんぞ。」 「いえ、それが流石完成された超生命体と言いますか、蓄えたエネルギーで休眠が可能なようでして、放置すれば元のすっきりボディに自然に戻るだけで全く意味がないと最近の研究でわかりました。 餌を与えてさえすれば、大人しい事もわかりましたからね。・・・それに、長官もそんなつもり無いんでしょう? ゴズ・イーラストラップも買って、なんだかんだで好きになり始めて」 「か、勘違いするなよ!/// これは娘がどうしてもって言うから買っただけなんだからなっ・・・!」 「そういう事にしておきますよ。-----二つ買っておいて全く。それにしてもおっさんのツンデレは可愛くないなぁ」 そんなやり取りは無関係に、怪獣は山ほどの食料を食い散らかしていく。 アーンと口を開いて、尻尾をふりふりして強請(ねだ)る姿はなんとなく愛らしい。 丸々とした姿が愛嬌ある、といつしか人々にも愛され始め、怪獣ゴズ・イーラは数年後は国のマスコットになったという−−− おしまい PS:ゴ○ラの体重設定ってあまりにも重過ぎるって話題は割と有名ですが、以前その話をしたのを思い出して今回書いてみました。 でも○ジラってあんまり詳しくなかったりする。 どうでも良いけど、太いばかりか、かつ巨大なドラゴンとか大好きです。 それでいてお腹にボリュームがあれば100点。 †ケータイウサギの災難 〜追加編〜† H*NDYMONSTERSより我が子をゲスト出演。 ルノービ:ウサギ型のデバイス。微妙に優遇が利かず高性能ではない。 見た目や触り心地はケモノと同じで、微妙にお腹もぽっこり気味。 「えぷっ。ご、ご馳走様でした。」 灰色のウサギによく似た子がちょっと正方形のデータキューブを食べ終え、苦しそうな表情を見せた。 (データキューブは本人曰く、ラムネ菓子と同じ味や食感らしい) 「お疲れ様ルノービ。これでPCの一部画像のデータ移行は半分ぐらい終わったよ。」 「えっ、半分−−−ですか?汗」 てっきり、綺麗に食べ終わったと思ったのに、どうやらまだまだ残っているらしい。 もうお腹一杯で、正直かなりきつい。けど、頼まれた仕事はきっちりしないと・・・。 「よし、頑張ろう---。」 ぺちっと頬をたたいて気合を入れると、ルノービは残りのデータも取り込み始めた。 後日--- 「さ、最近太ってきたかも・・・?」 むにむにと自分のお腹を触ってみる。肉球が柔らかいせいでわかりにくいけど、明らかにお腹の柔らかさもプラスされてる気がする。 この頃は頻繁にデータを追加されるから、もう空き容量はほとんど無い。 デフラグやクリーンアップが無いせいで、不要なデータや破損した情報は[余分な物]となって身体に現れる。 まるで脂肪がついて太ったみたいに、ふわふわぷにぷにな姿へと変化してしまうのだ。 「ルノービ、また画像や動画のデータとか食べてもらいたいんだけど・・・大丈夫?」 見ると、昼食を食べ終えた時点でお腹はすでにパンパン。(彼は普通のご飯も食べれるのだ。) 新しくデータキューブを食べてもらえる余裕は無さそうだった。 「は、はい。大丈夫ですご主人。」 精一杯元気そうな顔を見せるものの、やはり辛そうだ。 「うん、やっぱりSDカードは交換した方がいいかな。ルノービ、ちょっとこれ食べて貰っていいかな?」 「え、は、はい? ング、、、、ゴクン。」 渡されたビスケットみたいな物を食べてみる。すると、なんだか胃がスッキリしたような気がする。 「あれ、、、?体が軽くなりましたご主人!」 パァっと顔を明るくして、ルノービはぴょこんと跳び上がった。 「ごめんごめん、ルノのSD初期のままで16MBまでしか入らないのに無理させちゃってたからね; 2GBになったから、もう大丈夫。どんどん好きなだけ食べれるよ♪」 「ほ、本当ですか・・・!」 実は食べるのが結構好きなルノービは、嬉しさのあまり長い耳をパタパタと動かしていた。 「うん、それで早速で悪いんだけど・・・これ、全部食べて貰って良いかな?;」 そしてドッサリと山積みにされたデータキューブ。 イチゴ味とかグレープ味とか様々あるのが嬉しいけど、量が・・・正直、予想外だった。 なにせ自分の身長よりも高い山積みにされているのだから。 「(これ、全部食べれるかな・・・?;)」 不安に思いつつ、ルノービは食事(データ移行)を開始する。ちなみにご主人は用事があるので外出してしまった。 1時間後。 「うわっ、こんなにお腹が膨れちゃった;」 見れば、元々丸みを帯びていた腹部がぽっちゃりというかぼってりというか、倍かそれ以上になっていた。 それだけじゃなく、なんだか体全体が大きくなってる気もする。 「でもまだこんなに残ってるし、頑張ろう。」 うん、体も不思議と軽いし、なんだかまだまだ食べれそう。 ルノービはもっくもっくと食べて食べて 3時間後。 「うぅ、ちょっときつくなってきたかな・・・?」 体が満月のように丸くなっていき 6時間後。 「よいしょ、うんしょ; と、届かない・・・うぅ〜ん!わぁっ?!」 腹がつかえて手が届かなくなっても、なんとか姿勢を変えては食べ続け そして翌日--- 「ごめんルノービお待たせっ; 思ってたより用事が長引いて・・・って!?」 ルノービの主人が帰ってくると、そこにはなんだか巨大な風船というか大福餅というか---まぁ太って膨れたウサギなわけだが−−がいた。 「お帰りなさい、ご主人・・・・・・けぷっ。」 コロコロと太って丸くなったルノービは完全に巨大化しており、見る者を圧倒する巨大なお腹と太い手足になっていた。尻尾もなぜかもっふもふになっている。 「だ、大丈夫なのかお前?;」 「えっと、フゥフゥ、ちょっと苦しいですけど・・・向こうの部屋に積んであったデータキューブも全部ご馳走になりました。」 留守の合間に頑張ってみたが、ちょっと張り切りすぎたかもしれない。 「ルノ、、、あっちのはパソコン用だぞ。よく入ったなぁ・・・いや、そのせいで凄い膨れてるけども;」 「えっ!あぅ、ごめんなさいご主人、僕、また余計な事しちゃって・・・」 ルノービの変化する目の色が青くなって、だんだん潤んできた。 (うぁ、やばい可愛い) という心の声はしまっておいて、よしよし大丈夫だよと頭を撫でてあげる主人でした。 ルノービは、今日も精一杯に頑張っています。 おしまい [モンスターファーム事件] ナーガ:鋭い爪の腕を持つ、蛇足の爬虫類系モンスター ハム:長い耳を持つ、ウサギのようなメタボ系モンスター ライガー:わんわんぉ 近頃、各地のファームからモンスターたちが拉致される被害が続出していた。 しかも、帰って来る頃には目も当てられないような丸々とした激デブ体型となってしまうのだ。 「おかしな事件が続くもんだなぁ。」 ブリーダーは新聞を読みながら、朝食のホットミルクを飲み干した。 「うちの子達も、気をつけないとな。」 そして片づけを終えると、愛しの我が子達が居る“はず”のファームへと足を運ぶ。 「ナーガ〜?おーい。・・・全く照れ屋だからって隠れる事もないだろうに。」 別の小屋へと向かう。 「ハムー。・・・また隠れてつまみ食いしてるな、ったく。」 更に別の小屋へと向かう。 「ライガー。ライガーやーい。」 返事はない。ただの孤独のようだ。 「・・・おーい。」 そして、ブリーダーは気がついた。 「全員居なくなってるじゃねぇかああ?!」 かぁーー・・かぁー・・・・ 牧場内に彼の悲しい叫びが木霊した。 † その頃、どっかのアジトでは。 人相の悪い、明らかにずる賢そうな男がいた。 [※見た目だけで人を判断するのは良くない事である。しかし、この人間の場合は見た目通りである。] 「こいつらが、最後の出場モンスターで良いんだな?」 「へい、リーダー!こいつらを、他の連中同様に大会に出られないぐらいぶっくぶくに太らせれば、完璧っすよ! うちらの相棒が不戦勝で優勝!賞金10万ゴールドと副賞のダイアは俺達のもんっすよ!」 説明台詞ご苦労である。 この部下の言うように、随分とせこい手段で、彼らは来週に控えた大会を優勝するつもりでいた。 マヌケくさい作戦だが、モンスター達が太りやすい[ニクもどき][バリアメ][アルタケーキ][アブラミ][ぽっちゃりクッキー]をお腹がはち切れそうなぐらい食べさせ、短期間で何倍にも太らせる事に成功していた。 「ち、畜生、こっから出しやがれっ!」 腕と尻尾に拘束具を付けて、壁に張り付けのようにされているナーガが叫ぶ。 美しいくびれ部門・BEST3に入る彼の種族だが、今では無残なツチノコ体型・・・ぶっっっとい腹周りになっていた。 妊婦もびっくりの突き出具合で、丸々とした上に、過食状態でパツパツであった。 ほっぺたにもわずかに膨らみが見えて、シャープで怖い顔つきはどこへやら、愛らしいモンスターになっている。 ジタバタと暴れるが、現状は何も変わらない。 「強がりはよすんだな。 それよりも、そんだけ元気があるなら、まだまだ余裕みたいだな・・・?」 でっぷりとした腹を撫でて、リーダーは笑う。 ギクリとナーガは冷や汗を流して、首を振る。 だが、もう遅い。強制ご馳走攻めが開始された。山ほどの肉や菓子が大きな口にねじこまれていく。 「んがぁっ!ふぐぐっ、ふっ、もういらね、やめねぇか馬鹿やろうっ・・・げぷぅ、嘘ですっ、ごめんなさい、やめてくださry、やめ・・・ヤメロっつの!?」 みるみるツチノコボディがむくむくと膨らみを増していく。 数分後・・・ 「・・・・。」(SE:チーーン) ぐったりと顔を垂らして、なんか呆然とした表情でナーガは気絶していた。 「しかし、こいつ以外は随分と大人しいもんだな。」 チラッと男が横に目をやると、平均個体からは考えられないぐらいに太って巨大化した、超激デブの兎似のハムがバクバクと食べ続けながらお代わりを催促していた。 もう拘束具は必要ない状態だ。お座り状態だが、腹がでかくなりすぎて足が完全に左右におし広げられている。 ライガーは、なんとか脱出する方法を考えながら、餌を食べ、考えては食べ、考えては食べ、考えては食べて食べて、 気がつけば太りすぎて脚が地面に付かなくなってしまった。 それから1週間後−−− モンスター達は返された。 しょーもない作戦を考えた連中はというと、モンスターの肥育代と餌代だけで大赤字になり、大会で優勝しても借金が残ってしまう程になった。 しかも、超肥満体のモンスターは結局大会に出場し、巨体を生かした先方で結局勝たれてしまう。 もっと低コストでモンスター達を更なる出場不能レベルに太らせる方法を模索しているらしい。 おわり