バレンタインの時、彼らは 「テイルズオブリバース」より 犠牲者1:ユージーン 俺 黒豹っぽいガジュマ 犠牲者2:シャオルーン 僕 蒼の聖獣 その他(ry マオ 僕 アニー 私 ティトレイ 俺 ヒルダ 私 −−バレンタインで、彼らは−− 黒豹を思わせる風貌のガジュマが、年齢以上に大人びた雰囲気を持った少女に質問をされた。 「ばれんたいんでー?ーーーいいや、初めて聞くな。」 黒豹の男、ユージーンは、記憶の中から思い出そうとしたがすぐに該当する単語を知らないと気づき、首を横に振った。 「そうですか。私も最近知ったのですけど、異国の習慣で・・・一種のイベントみたいなものだそうです。」 アニーは、続けて説明をする。 「その日には、女性が、えっと・・・チョコレートとか、お菓子を配る日なんです。 日頃皆さんには迷惑をかけてますし、そのお礼として・・・物でお返しするぐらいしか、私には出来ませんし。」 「いや、そんな事は無い。俺達は、お前に何度も助けられた。」 「・・・・ありがとうございます。」 しんみりとした空気になりそうだったので、ユージーンは軽く咳払いをして話を続けさせた。 過去の話とはいえ彼らの間には色々とあったので、沈黙の時間は、互いに好ましくない。 「それで、俺に話があるというのは、その事が関係しているのか?」 「えっと、別に誰でもいいんですけど・・・その、折角ですし中途半端なものじゃなくて、練習してからみんなに送りたいんです。 でも自分だけじゃ味の良し悪しに限界があるから、良かったら・・・完成まで試食係りになってくれませんか。」 「・・・なんだそんな事か。改まって頼まれる事でもない、その程度の協力なら容易い事だ。」 まさか、アニーの方から自分に頼みごとをしてくるとは思わなかったので、ユージーンは内心非常に嬉しく思いつつ、変わらぬ態度で引き受けた。 さっそくユージーンは試しに作ってみたというチョコ菓子を渡され、食べてみた。ほんのりとした甘みが口の中一杯に広がってから、カカオの渋みがそれを丁度良く緩和して味を整えてくれる。 甘味は基本的にグミしか食べる事が無かったので、予想以上の美味しさに驚いた。 「あー!二人してこっそり何か食べてる、ずるいよー。」 と、その時後ろから声がして振り向いてみると、龍のような体つきに、幼い獣の顔をした蒼い聖獣がそこにいた。 「あ、シャオルーン・・・、えっと、これは別に、隠してるわけじゃ。 見つかってしまいましたし、シャオルーンも食べますか?」 「え、いいの?ユージーンの為のじゃないのかな?」 「ち、違いますっ!!///」 そんなこんなで、見つかってしまったシャオルーンもくわあり、それから暫くアニーの作ったチョコやお菓子の試食係としてユージーンとシャオルーンは大量のお菓子を食べる事になった。 特に、シャオルーンはお菓子を大層気に入ってしまい積極的に貰いに行っていた。本来は食べる必要など無いはずなのだが。 それから1週間後 「今回の、砕いたナッツを入れた物はなかなか美味いな。」 ポリポリと何個目かの新作を食べるユージーン。口の中が甘くなり過ぎて味の判断がにぶらないように、定期的にジュースや水も飲んでいる。 「本当ですか?ここ最近では自信作だったので、そう言って貰えると助かります。」 「うん、すっごく美味しいよ!どんどん上達してるよ。 ねぇお代わりってあるのかな。」 シャオルーンは体も大きいので、いつもペロリと一口で食べてしまう。 「ふふ、そういうだろうと思っていつもより多めに用意しておきましたよ。」 バスケットの中に大量に載せられたクッキーやチョコ菓子を見たシャオルーンの目はきらきらと輝く。 「人間ってやっぱり凄いよ。こんなに美味しいものを沢山作れるんだもの! ゲオルギアス達も、こーゆーところを見習うべきだと思うんだけどなぁ・・モグモグ。(主に自分が食べる為に。)」 好きなだけおやつを食べるシャオルーンは、1週間もそんな生活を続けて太り始めてしまった。 細長い体は、徐々に太くなってきていた。 そしてシャオルーンだけに限らず、わずかながらユージーンの体重も増えてきていた。 スマートな痩身で、綺麗なくびれがあったのだが、今ではくびれも消えかけて寸胴になりかけている。 体重計に乗れば、すぐにわかったのだろうが・・・この時は誰もその変化に気づいていない。 108kgだった体重は、すでに135kgと25%も増えていたのだが。 それから、更に1週間が過ぎた。 トリュフチョコや生チョコ、バニラ風味のものなど、技術が上昇したアニーは一日に何種類ものチョコレートを大量に作れるようになっていた。 しかし、まだまだ満足出来ずにどんどん新しいものに挑戦しては、「試食係」であるユージーンとシャオルーンに食べてもらっている。 しかも、シャオルーンはすっかり人間の作るお菓子にハマってしまい、他のメンバーたちにもおねだりするようになっていた。 「ねぇねぇ、ヴェイグ!この間くれた氷砂糖ちょーだい。」 「マオー、アップルパイの他に何かないかな?」 「ティトレイ〜」 なんて事をしていくうちに、どんどんシャオルーンは太ってしまった。 もう1週間も立つと、明らかに体型が変わってしまい、中央の胴体はふっくらとしていて、白いお腹の面積は広がっている。 顔つきまで心なしかぷくぷくしていた。 だが、羽で飛ぶわけでもないので飛行時の移動には特に弊害が無かった。多少、動作はスロー気味になっていたけど誰も気にする事は無かった。 一方で、ユージーンの方も確実に肥えていった。 規則正しい生活で、毎日3食を欠かさない上に今は間食としてチョコレートやクッキーなどのお菓子を食べている。 しかも、試食係としてなので自分で食べたいと思う分量は簡単に超えてしまう。 甘いものに舌が慣れたどころか、好物になりつつある。今ではシャオルーンほどではないが、気に入った作品は次回に追加注文するぐらいであった。 少しずつ、だが確実に増えていく体重。今では150kgとなり中年太りのようになっていた。 しかし戦闘では相変わらず俊敏な動きを見せているし(少しだけ衰えたが)、体重が増えたことにより重量のある武器の威力が格段に増していたのだ。 「なぁヴェイグ、最近ユージーンの旦那変わったと思わねーか? うまく言えねぇけどさ・・・全体的に雰囲気が変わったっつーか。」 「そうだな。確かに、以前よりも全体的に丸くなった気がする・・・。 アニーも最近は仲が良いし、表情も柔らかくなって以前の硬さが無くなったのかもしれないな。」 「あ、なーるほど。」 などとパーティーメンバーは特に気にしない様子。 種族が違うので、体型の多少の変化はわかっても、どれぐらい太ったのかはわからなかったのだ。 それから数日後、更にユージーン達の体重増加に拍車がかかってしまう。 この世界では、体力や疲労を回復するために「料理」を食べるのだが・・・ 最近は戦闘で苦戦することが無く、料理を余してしまう。 かといって捨ててしまうのも勿体無い。 「それならば、俺が処分しておこう。」 武人の精神か生真面目な性格が災いしたか、ユージーンがその料理の処分を名乗り出た。 ついでにシャオルーンも。 それから1週間、彼らが食べた料理は数知れず。 クリームスープ、ハンバーガー、サンドイッチ、フルーツポンチ、唐揚げ、リゾット、カレーライス、 オムライス、野菜サラダ、カルボナーラ、ハンバーグ、ミートローフ、ミートソース、海鮮グラタン、 フルーツチーズ、ボルシチ、ポテトサラダ、パエリア、舟盛り、グラスパ、マーボーカレー、みそおでん、 ゴージャスサラダ、スペシャルピザ・・・これら6人前と予備の+αを「本来の食事とは別に」全て平らげてしまった。 軍隊仕込の素朴な味付けの料理ばかり食べていたユージーンにとっては、このようにカロリーや脂肪分が高く、味付けも濃い料理はすぐに体に蓄えられていった。 そして、とうとうユージーンは2倍、シャオルーンは約3倍ほどに太ってしまった。 ユージーンの装備が、胴体はアーマーじゃないのが問題であった。鎧に圧迫される事がないせいで、膨れゆくお腹はどんどん成長してしまった。 シャオルーンに関してはせいぜいマフラー程度で、何も縛るものがないせいかドンドン膨れていった。 とある戦闘中、ユージーンは後方から迫り来る敵にも対応せんと持っていたハルバートを右手から左手に持ち替えようとした・・・すると 「ボヨン」と、なんと自らのぶっくらと突き出た腹に妨げられ武器を落としてしまった。 慌てて拾おうと体を屈めるが・・・届かない。否、体をほとんど曲げられないのだ。 今では250kgを超える丸々とした巨漢になり、足元の武器すら拾えない程になっていた。 咄嗟にユージーンは体を反転させ、自分の腹で敵を吹き飛ばして(かなり恥ずかしい)距離を保つと、足で武器を蹴り上げて手に取りモンスターを薙ぎ倒した。 動きは相変わらず俊敏なのだが、「攻撃の当たり判定」が広くなってしまいダメージを受けやすくなっていく。 そして、その度に料理で回復するものだからユージーンは戦闘の運動量だけでは消費しきれないほどにカロリーを蓄え続けるのだった。 バレンタインデー前日・・・・ この日はアニーは特に気合が入っており、念入りに全員分のチョコレートの試作品をユージーンとシャオルーンに食べてもらい何度もチェックしてもらった。 何度も何度も・・・ ユージーンは途中でギブアップしてしまったが、シャオルーンは何度でもお代わり出来ると喜んでチョコやクッキー、ビスケットなどの菓子をバクバク食べ続ける。 数時間後、聖獣とは思えないほどに胴体を膨らませたシャオルーンも流石に限界が来たのかうんうんとうなされながら仰向けに倒れこんでいた。 いよいよ当日。 アニーは無事満足の行く仕上がりに完成させたチョコレートを全員に渡し、すんなりと終えた。 ただ、ユージーンとシャオルーンには協力してくれたお礼として特別気合の入った作品が届けられるのだが・・・ その余りのボリュームに、正直ふたりはちょっと固まってしまう。 だが、食べてみると想像以上の出来で、今までで最高の味だった。 結局、残さず食べきったユージーン達。 何度目か変えたはずのベルトがブチっという音と共に千切れてから、ようやく彼のダイエットが始まった。 2ヵ月後・・・ なんとか昔の体型を取り戻しつつあるユージーンに対して、全くダイエットしなかったシャオルーンは以前は細かったのが嘘のように丸々とした聖獣になっていた。 「それじゃシャオルーン、向こうの大陸まで頼む。」 「ふぅふぅ、うん、わかったよ。それじゃ行くね・・・それっ! ・・・あれ、このっ、・・・むむっ!」 何度も気合を入れるシャオルーンだが・・・ほとんど浮かばない。少し浮いたかと思うと、ずしーーーんと地響きを立てて大地に落ちてしまっていた。 とうとう浮かぶことが出来なくなってしまったのだ。 「つ、疲れちゃった・・・なんでだろ、今日はもう飛べそうにないや・・・・」 ひぃひぃと舌を出して荒い呼吸をするシャオルーンは、仰向けに寝そべったまま微動だにしなくなってしまった。 改めてみると、その腹部はまるで風船か気球のように大きく膨れていた。こんな体型で飛べるはずが無い。 「シャオルーン・・・今日からおやつは当分禁止だな。」 「えぇーー酷いよ?!」 しかし、一度覚えたおやつの味をなかなか忘れる事が出来ず、こっそりと皆におねだりしてお菓子をちょっとずつ貰うシャオルーンが痩せるのは当分先の事であった。 おわり もう一つはポケモン。けっこー前に某O様が描かれたルカリオとバンギラスという意外な組み合わせが萌えたので、やり取りを妄想したり。 とはいえ、組み合わせだけで例の作品様とはキャラもシチュも無関係ですので悪しからず; ルカリオとトモダチとチョコレイト 「おーい、今日の追加分持ってきたぜ。」 笑顔で部屋に入ってきたのは、大きな荷物を持ったバンギラス。随分と太っているのか、ガタイが良すぎる上にかなり丸い。 ちょっと憂鬱そうな顔で、部屋にいたルカリオがその方向を向いた。 「うぅ、今日もそんなにあるの?」 バンギラスが荷物を置くと、ドスーンと重量感のある音が部屋に響く。 数十キロ・・・いやそれ以上ある箱の中身は全てバレンタインデーのチョコレートである。 当日から数週間過ぎたというのに、ルカリオの元にはまだまだ届くのだ。 映画出演した時に、チョコレートを美味しそうに食べたイメージが強いのだろう。 元からの人気もプラスして、毎年大量に送られてくるのだ。 「それでも、去年に比べりゃ大分減ったんじゃねぇの? にしても、あー肩こった。」 グルグルと肩を回すバンギラス。ほぼ毎日運ぶせいで、流石に疲労がたまっている。 「それでも、こんなに食べたらまた太っちゃうよぉ。」 「なーに言ってんだ、もう十分すぎるほどぷくぷくのくせによ。」 ニヤついた顔で、バンギラスがルカリオの全身をジロジロと見つめた。 腕はパンみたいにふっくらしており、足はムチムチと太くなり短足にも見える。 顔も、ほっぺたが丸みを帯びて、格好良いイメージよりピカチュウのような愛玩系の顔つきになっていた。 そして、まん丸お腹は饅頭かお餅のようにぽってりとしており、明らかに太りすぎであった。 本来50キロ平均の体重は、驚くべきことにカビゴンと同じかそれ以上。 シルエットだけ見たらカビゴンやマルマインに間違われても文句を言えない立派な体格をしていた。 今は座ったまま、チョコレートを処理するためにバクバクと食べまくっている。膨れたお腹で足は開いたままだ。 肉球も昔よりぷにぷに度が増している。 お腹が出すぎて、立っている時は足元が見えないので苦労している。とはいえ、最近は部屋にこもりっきりで移動する事がほとんどなく益々太ってしまった。 「ふぅふぅ、もう食べれない・・・ゴメンちょっと横になるよ。」 お腹を休ませる為、壁によりかかったルカリオはバンギラスにバトンタッチした。 「ったく、しょーがねぇ。俺までますます太っちまうじゃね〜か。」 そういいつつ、この協力を申し出たのは彼の方からであったが。 「ただ俺は多少太った所で仕事の依頼に変化ねーからなぁ。 お前の場合、今の体型見られたらスポンサーに何言われるかね〜」 チョコを食べつつ、笑いながらバンギラスがルカリオのお腹をツンツンと突っつく。 かなりプニプニでお腹が肉球みたいに柔らかい。 「Σわひゃぅ?!」 ビックリして体を跳ね起こそうとするルカリオだが、体が重すぎるのか腰が上がらなかった。 「ミュウが変身でお前さんの代理で仕事してるから良いけども、お前いつになったら痩せるんだろなぁ。」 「う・・・。」 「お前、なんだかんだで俺と同じかそれ以上にチョコ食ってるしなー。 俺はそろそろグラードンさんの体重超えるけど、お前も頑張れば追い越せるんじゃないか?」 「そ、そんなの超えたくないよっ! ・・・あ、そのチョコ美味しそう。ねね、それだけ貰って良い?」 怒ってぷくーっと頬を膨らませたルカリオ・・・もとい、元から膨れ気味の口元からよだれがタラリ。 バンギラスが新たに開けた箱に入っていたチョコがとても魅力的だったのだ。 「お前、痩せる気ないんじゃねーか・・・?」 次回作の新地方が来るまで、当分痩せそうにないルカリオ達であった。 そして、似たような境遇でありながら、開き直ったポケモンもいた・・・ 「モグモグ・・・ふぅー、流石にこう甘いものばかり食べていると飽きてくるな。 ポケモンフーズの塩漬け取ってきてくれないか?」 大きなポケモンが、その場から動かぬまま自分と似て非なる相手に向かってお願いをした。 せんすいポケモンのルギアである。山積みになったチョコレートやお菓子に囲まれて、寝ながら食べていた。 「・・・あのなぁ、俺はお前の召使いじゃないんだぞ。」 そんな彼の介護をするのはダークルギア。 なぜ介護、かと言うと現在のルギアは殆どの行動が制限されているからである。 理由は単純に怠けと食べすぎによる、ただの太りすぎ。 一見パンク寸前と思えるほど巨大な風船腹にはみっちりと余分なお肉が詰まっている。 体重は余裕の1t超え・・・どころか、2tも目指せそうな勢いで増量しつつある。 離れると、SDのマスコット人形みたいに、手足が小さめで太く短く見えるがそれも体が(というかお腹が)大きすぎるせいだ。 「ったく風船じゃあるまいし、いつまで膨れるんだよ。」 ルカリオ同様に、仕事にならないので撮影時やジャケットに登場する時はダークルギアが体の色を染めて誤魔化している。 しかし、ダークルギアもこの頃は若干ストレスで太りだしてきたので注意している。 「って、ちょっと待て。なんで俺はダイエットしてるのに肝心のお前は食い続けてるんだよっ!」 「まぁまぁ、ソウルシルバーの仕事は一通り終わったことだし、新作が出たら暫く時間も稼げるはずさ。 だから、ダイエットは当分先で良いだろう?」 「うーーむ、なんか納得出来ないような・・・」 「それに元々お前(ダークルギア)は出番がたった一度しか無かっただろう? だが、本当は今活躍しているのはお前なんだ。胸を張って誇れる事だぞ。それに比べて俺は映画出演した後は食っちゃ寝してるだけで済むから楽・・・じゃなかった、お前の出番の為に暫くこうして身を引いているんだ。」 「そ、そうだったのか・・・っ!」 「うん、そうそう。」 てきとーに投げやりな返答をするが、それでも信じてしまうダークルギアは随分と生真面目というかお人好しであった 。 「(あぁ、同族ながら可哀想なぐらい単純な奴・・・だから、あんな組織に利用されたりもしたんだろうけど。)」 同情はしながらも、相変わらずぐうたら生活を止める気の無いルギアはこれからも太り続けることだろう。 ルカリオと違い、こちらのダイエットが始まるのは、まだまだ先のようだ。 おしまい