―――――眠れん!!!!! いくら横になろうと全然眠くならない!!! 何故だ!どうしてだ! もう三日はクマがとれない!! というわけで早速咲夜に相談した!! 咲「そうですねぇ………枕を変えてみるのはいかがでしょう?」 枕を変える、か……… そういえばあの枕もかなり長く使っている その為かフカフカしていた枕も今ではペッタンコになっている それに………なんか………おっさんのような臭いが……… 枕からおっさんの臭いがしたらやばいって聞いたことがある まぁこれもいい機会だ。枕を買いに行こう 「枕って………一杯あるんだな………」 早速枕を買いに来た どこにって? お値段以上のところだよ! 枕にも様々な種類があるようだ 羽毛、綿、ラテックス、ビーズ、低反発……… そば殻やひのき、備長炭などをつかった枕なんてのもあった どの枕にも長所短所がはっきりしている 硬かったり柔らかかったり、水洗いが出来たり出来なかったり 「とりあえず………買えるだけ買うか………」 選ぶのが面倒だった俺は一種類ずつ枕を買った 咲夜が空間を弄って作ってくれたかばんの中に詰め込んでいく 某ネコ型ロボットの四次元ポケットのようなものだと考えてくれればいい そして俺は大量の枕を買って館に帰った レ「そんなに枕かってどーするのよ………」 「色々試すんだ」 レ「残ったぶんはどうするのよ?」 「まぁ余ったら余ったで他の人にあげればいいじゃん」 館に帰った俺は自分の部屋に先ほど買ってきた枕を並べていった まぁ数十種類はあるんじゃないかな? そんな俺をレミリアが呆れた表情でみつめていた レ「それにしても買い込んだわね………私にも一つ頂戴よ」 「俺のお古でよかったらやるよ」 レ「いやよ。あれなんかおっさん臭いし」 やっぱおっさん臭いんだ……… そのことに軽くショックを覚える 「と、とりあえずだ。俺は今から寝る。だから部屋を出って行ってくれ」 レ「はいはい、わかりましたー」 レミリアが部屋を出て行ったあと俺は適当に枕を掴み頭に敷いて横になってみる ……………う〜ん どうもなぁ………… なんというか少し硬いかな? その枕を投げ捨て次の枕を取る ……………これもなぁ………… 柔らかさはいいんだけどちょっと高いというか……… これも駄目だ……… 次の枕を手に取る これは香りが強すぎて駄目だ 鼻が痛くなってくる さらに別の枕を手に取る 駄目だ………形がなんか悪い……… それからも枕を試していったがどれも俺に合うものがなかった どーしよこの大量の枕 すると部屋に誰かが入ってきた 美「どうですかー?いい枕はありましたか?」 美鈴だった どうやら枕がどうだったか聞きに来たようだ 「あー、全然駄目。どれも俺には合わない」 美「そうなんですか?この低反発枕なんて気持ちがいいと思いますけど?」 「それもなんかねぇ………高さが合わない」 美「………こだわってますね」 少し呆れたような美鈴の声 まぁそうだろうなぁ……… そして、ふと美鈴を見る あの胸………柔らかそう……… あれに頭を埋めたら気持ちよさそう……… 「な、なぁ美鈴……………」 美「なんですか?」 「ちょっとこっちにきてくれ」 美鈴を手招きして呼び寄せる 「あのさ………ちょっとここに横になってくれないか?」 美「ここにですか?」 美鈴をベッドの上で寝かせる そして……… 美「わっ!?ご、ご主人様、な、なにを………」 「美鈴の胸………柔らかくて、温かくて、ふわふわして………それに高さも形も丁度いい………」 俺は美鈴の胸を枕にして寝てみた すごく気持ちがいい 「美鈴、お前今日から門番じゃなくて俺の枕になってくれない?」 美「もう………こんなところ咲夜さんに見られたらなんて言われるか」 と、文句を言いつつも顔は嬉しそうだ 美「膝枕とか腕枕は聞いたことがありますけど………えーっとこれは………」 「胸枕………いや、乳枕だな」 美「乳枕ですか………」 「そう…………乳枕………」 そして俺は美鈴の胸に頭を埋めたまま眠りについた 起きたときはすでに夜だった 美鈴も俺と一緒に寝ていたらしく可愛らしい寝息を立てていた そしてそこに 咲「夕食の時間になってもなかなか降りてこないと思ったら………なるほど、そういうことですか」 「ち、違う!!咲夜誤解だ!!!」 美「むにゃ……ごしゅ、じんしゃま………私の胸は……気持ちでしゅかー?」 なんという間の悪い寝言 恐る恐る咲夜の顔をみると顔は笑っているのに目が全然笑ってない やばいやばいやばいやばいやばい!!!!! 咲「覚悟は?」 「ちょ、ま、マママジですか!」 いつの間にか周りをナイフが囲んでいた そして――――― 館の中に二人分の叫び声が響いた――― 「ううぅ………ひどい目にあった」 美「だから言ったじゃないですか………」 二人してお仕置きを喰らった俺たちはボロボロの体を引きずって階段を下りていく 夕食を食べるために その途中で 「でも………お前の胸は本当に気持ちがよかった。今日の夜も………出来ればずっと俺だけの枕になってくれないかな?」 美「それさっきも聞きましたよ。でもご主人様がそう仰られるのでしたら私はその通りに」 そして俺は毎日美鈴の「乳枕」で寝ることになった 余談 その光景を見て 咲「私だってもう少し胸があれば………」 なんて言っていた人がいるとは誰も知らないー――